ライブコマースの創る未来の小売・第2回 コンバージョン


第1回に続き、ライブコマースの現状と私の考えるライブコマースのこれからについて書いていきたいと思います。ライブコマースはECの新しい形ですが、今回はEC全般の課題について記載します。さらに、今後ECがどのように進化すべきかを考えたいと思います。

ECの課題

ECのコンバージョン率は、実店舗と比べて圧倒的に低く、3%程度と言われています。ECの利便性が低いことだけが原因ではありませんが、利便性を高めることでコンバージョン率をあげることができるのではないでしょうか。「接客」と「マーケティング」を切り口に、ECの利便性について考えてみたいと思います。

「接客」の3つの優位性

ECと実店舗を比較すると、「接客」は実店舗の最大の優位性であると言えます。私は職業柄よく電化製品を購入するのですが、類似商品の中からどれを買っていいかわからない場合、家電量販店で販売員の方に商品知識を教わりながら購入の意思決定をすることがあります。「接客」の優位性を要素分解すると、「リアルタイム性」・「質問」・「提案」の3つに分けることができます。この優位性があるからこそ実店舗は高いコンバージョン率を実現できるのです。

1つ目の「リアルタイム性」は、消費者と販売員がリアルタイムにコミュニケーションを取ることができるという意味です。大半のECではそもそも販売員とコミュニケーションを取ることができませんが、実店舗では単に販売員とコミュニケーションを取ることができるだけではなく、リアルタイムなコミュニケーションが可能です。

2つ目の「質問」は、消費者が販売員に対してリアルタイムに「質問」を行い、すぐに購入を判断することができるという意味です。大半のECでは「質問」をすることができないので、消費者は自ら商品の情報収集をした後に購入する必要があります。一方、実店舗では、商品知識豊富な販売員が「質問」に答えるため、スムーズに購入の意思決定ができます。

私が代表を務める株式会社Mofflyの実施したアンケート調査では、「商品を購入する前に販売員に質問したいと思うことがありますか?」との質問に対し、「よくある」または「たまにある」と答えた割合の合計が54%でした。半数以上の消費者にとって、「質問」は購入の意思決定の重要な要素になっています。

調査エリア :全国
調査方法 :ネット方式による、アンケート調査
回収サンプル数 :100
調査期間 :2018年3月1日~2日
調査主体 :株式会社Moffly

3つ目の「提案」は、消費者が販売員からリアルタイムに「提案」を受け、すぐに購入を判断することができるという意味です。大半のECでは買うべき商品の「提案」を受けることができないので、消費者は自ら商品の情報収集をした後に購入する必要があります。一方、実店舗では、商品知識豊富な販売員がオススメの商品を「提案」するため、スムーズに購入の意思決定ができます。

「Eコマース&アプリコマース月次定点調査/2017年度総集編」(2018年2月28日、株式会社ジャストシステム マーケティングリサーチキャンプ)によると、「SNS上に商品購入ボタンがあったら使いたい」と答えた割合が、「Instagram」「Twitter」利用者にて4割を超えています。また、40代女性も、EC利用時のデバイスが「スマートフォン」にシフトしています。

InstagramやTwitterで消費者が見つける商品はSNSで誰かがオススメしている商品ですので、「SNS上に商品購入ボタンがあったら使いたい」という回答は、多くの消費者にとって商品の「提案」を受けることは重要だということを示しています。

株式会社Mofflyの実施したアンケート調査では、「商品を購入する前に販売員に提案を受けたいと思うことがありますか?」との質問に対し、「よくある」または「たまにある」と答えた割合の合計が45%でした。つまり、半数近くの消費者にとって、「提案」は購入の意思決定の重要な要素になっているということです。

調査エリア :全国
調査方法 :ネット方式による、アンケート調査
回収サンプル数 :100
調査期間 :2018年3月1日~2日
調査主体 :株式会社Moffly

以上、ECが取り入れるべき実店舗での「接客」の利便性をアンケート結果とともに紹介させていただきました。「リアルタイム性」・「質問」・「提案」はECのコンバージョン率を上昇させるための重要な要素になると考えます。

マーケティングと消費者の購買行動

次に、マーケティングについて記載したいと思います。ECに限らず企業のマーケティングと消費者の購買行動は断絶されており、大きな問題です。企業のマーケティングにより、消費者が商品・サービスを認知し、購買意欲が高まっても、購買に至るプロセスが長く、すぐに購買行動に移ることができません。

例えば、テレビCMは認知度・購買意欲を高める手段として有効ですが、消費者が購買行動に移る場合には、店舗まで訪問しなければなりません。ネット動画広告は認知度・購買意欲を高める手段として有効ですが、消費者が購買行動に移る場合には、新たに別ウィンドウを立ち上げて、検索エンジンで検索してから、ECへアクセスしなければなりません。

株式会社Mofflyの実施したアンケート調査では、「TVCMを見た後、紹介された商品をその場で購入したいと思うことがありますか?」との質問に対し「よくある」または「たまにある」と答えた割合の合計が44%でした。マーケティングと購入アクションをシームレスに繋ぐことはECの利便性を向上させる上で重要なポイントであると言えるでしょう。

調査エリア :全国
調査方法 :ネット方式による、アンケート調査
回収サンプル数 :100
調査期間 :2018年3月1日~2日
調査主体 :株式会社Moffly

コンバージョン率を上昇させるには?

実店舗における「接客」の優位性を取り入れ、「マーケティング」の断絶を解決することで、ECはさらなる進化を遂げることができるのではないでしょうか。私は、この2つを解決するECの新しい形がライブコマースだと考えています。

「ライブコマースの創る未来の小売」連載シリーズ

第1回「小売×ライブコマース=無限大」
第2回 「コンバージョン」
第3回「”人”が中心のライブコマース」


藤次一嘉
藤次一嘉

株式会社Moffly 代表取締役社長
Google に入社し、広告代理店営業部門に所属した後、コンシューマー・マーケティング部門にて、市場調査やマーケティング・プランの策定を行う。 現在、株式会社Moffly にて展開しているライブコマース事業によって、「21世紀の小売業と販売員の再定義」を目指す。

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