ライブコマースの創る未来の小売・第3回 ”人”が中心のライブコマース


「ライブコマースの創る未来の小売」では、第1回および第2回に続き、ライブコマースの現状と私の考えるライブコマースのこれからについて書いていきたいと思います。

日本のライブコマース・サービス

日本のライブコマース・サービスには大きく分けて2つの種類があります。販売する「人」をサービス・コンセプトの中心に据えたサービスと、販売する「商品」をサービス・コンセプトの中心に据えたサービスです。前者はキュレーション型を取ることが多く、後者はECモール型を取ることが多いです。

前者では、販売する「人(=インフルエンサー)」が主役であり、その「人」がオススメする商品をキュレーションしてその「人」のファンに紹介する形式で販売を行います。今回は、前者のサービスの代表例である株式会社Candeeが運営するLive Shop!と株式会社Flattが運営するPinQulをご紹介します。

Live Shop!

Live Shop!」を運営する株式会社Candeeは2015年2月23日に設立された会社で、メディア事業、動画マーケティング支援事業、タレントマネジメント事業を行っています。2017年12月に24.5億円の巨額の調達を行ったことで話題になりました。

同社のメディア事業では、ライブ番組情報の総合サイト「Livesion」の運営と、ライブコマース・サービス「Live Shop!」の運営を行っています。

「Live Shop!」は、2017年6月7日から開始されたライブコマース・サービスで、1日に2〜3番組を配信しています。出演者は、ゆうこす(菅本裕子)など有名インフルエンサーがメインです。

「Live Shop!」にて販売される商品は主にプライベートブランドとオリジナルアイテムです。プライベートブランドとしては、TOKYO BASEと立ち上げた「YOUTH LOGO CLUB」やインスタグラマー“佐野 真依子”を起用し立ち上げた「TRUNC 88(トランクエイティーエイト)」などがあります。オリジナルアイテムとしては、AAA・宇野実彩子や雑誌「bis」の人気モデルが製作した商品があります。

その他、「Live Shop!」でしか手に入らないサンリオピューロランドの限定アイテムを販売したり、韓国で仕入れた商品を韓国からライブ配信して販売したりと多様な取り組みを行っています。

「Live Shop!」は、各種メディアやタレント事務所とタイアップしてコンテンツを作成しています。日本テレビの「女神のマルシェ」で紹介された商品を「Live Shop!」にて別視点から紹介するコンテンツや、ファッション誌「S Cawaii!(エスカワイイ)」の読者モデルが出演するコンテンツ、スターレイプロダクションやアソビシステムのタレントが出演するコンテンツなど様々なコンテンツを作成しています。

「Live Shop!」はオフライン・イベントとの連動にも力を入れており、貝印主催のビューティイベント「Beautiful Friend Forever」やメガネブランド「Zoff」のイベント、「mer fes.2017 (メルフェス) 」などの様子をライブ配信しています。

同社の動画マーケティング支援事業には、「ライブ配信」「動画作成・運用」「キャスティング」の3領域があり、「ライブ配信」領域では、株式会社ワンキャリアと共同で「ワンキャリLIVE」(SNS上でインターンシップや就職説明会のライブ配信を行うワンストップソリューションサービス)を提供したり、ディグラム・ラボ株式会社と共同で「動画 de ディグラム診断」(統計学をミックスしたディグラム診断と動画を掛け合わせてPRに繋げるサービス)を提供したりしています。また、Bytedance株式会社が運営するアプリの一部番組にて「ライブ配信」および「キャスティング」を提供しています。

「キャスティング」領域では株式会社エイスリーやMaxitalencyなどのキャスティング会社と業務提携を行い、サービスを強化・提供しています。また、株式会社HeartFullと共同で、インスタグラマー登録プラットフォーム「Lollypop」を提供しています。

「動画作成・運用」領域では、株式会社プラスディーと業務提携契約を締結し、動画作成能力を強化しています。

PinQul

PinQul」を運営する株式会社Flattは2017年5月23日に設立された会社で、ライブ配信を用いた商品の販売および関連するサービスを提供しています。

「PinQul」は2017年10月5日から開始されたライブコマース・サービスで、1週間に数回の配信を行っています。出演者は、rinatea, きちゃきなどのマイクロ・インフルエンサー(有名インフルエンサーよりも影響力が弱いインフルエンサー)がメインです。

「PinQul!」にて販売される商品はインフルエンサーの私物やハンドメイド商品、プライベートブランド「P.Q. by PinQul」です。「P.Q. by PinQul」は「PinQul」に出演するインフルエンサーによって立ち上げられたブランドです。また、それ以外にも他社製品の代理販売も行っており、TOKYO BASEが最近発表したブランド「SOCIAL WEAR」を取り扱っています。

次回は、販売する「商品」をサービス・コンセプト中心に据えたECモール型のライブコマース・サービスについてご紹介させていただきます。

「ライブコマースの創る未来の小売」連載シリーズ

第1回「小売×ライブコマース=無限大」
第2回 「コンバージョン」
第3回「”人”が中心のライブコマース」


藤次一嘉
藤次一嘉

株式会社Moffly 代表取締役社長
Google に入社し、広告代理店営業部門に所属した後、コンシューマー・マーケティング部門にて、市場調査やマーケティング・プランの策定を行う。 現在、株式会社Moffly にて展開しているライブコマース事業によって、「21世紀の小売業と販売員の再定義」を目指す。

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