仮想通貨で儲けた人、確定申告は無事に終わりましたか?


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あっという間に4月も半ばに差し掛かろうとしています。ちょうど1か月前は、所得税の確定申告の期限が迫ってくる時期でしたが、みなさんは無事に確定申告を終えることができたでしょうか?私が仮想通貨のことを調べてばかりいるせいか、今年の確定申告は、特に仮想通貨の話題が多かったような気がします。

今年の3月の確定申告は、平成29年の1月から12月までの1年間の所得の申告です。去年は、後半にかけてビットコインの値段が大きく上がったこともあり、大儲けした人もいるでしょう。また、4月ごろにはビックカメラで買い物をしてビットコインで代金を払うことができるようになったりして、この支払いに税金がかかるのかどうか、といったことも話題になりました。さらには、ビットコイン以外のアルトコインもたくさん出てきましたが、これらを交換したときにまさか税金がかかるとは思わなかった、という人も多いでしょう。

国税庁も、はじめのうちはまさかこんなことになるとは思わなかったのでしょうが、あまりに話題が大きくなったので、年の後半に、仮想通貨に関する税務の取扱いを発表しました。そこで、今回の記事では、昨年の国税庁の発表をもとに、今年の確定申告を振り返りながら、来年の確定申告にも備えつつ、仮想通貨に関する所得税を考えてみたいと思います。

国税庁の発表(その1)タックスアンサー

最初に発表があったのは、国税庁のタックスアンサーに、仮想通貨の税務の取扱いが掲載された昨年の9月。「No.1524 ビットコインを使用することにより利益が生じた場合の課税関係」です。このときは、ビットコインを使用することにより生じる所得は、原則として雑所得に区分される、ということで、所得の区分が明らかになりました。
この発表があった直後はいくつかの解説記事が出ましたが、その中でもこちらの「国税庁タックスアンサーでの仮想通貨取引課税の明確化」がとてもよく整理されていました。国税庁が公表した所得の区分のことだけでなく、雑所得の説明、計算方法、確定申告が不要になる場合、「ビットコインの使用」の意味、株式売却益との違いなど、このタイミングではとても有意な解説でした。

国税庁の発表(その2)Q&A

次に発表があったのは、年末も押し迫った12月。Q&A形式で「仮想通貨に関する所得の計算方法等について(情報)」が発表されました。仮想通貨の売却からマイニングまで、9つの問いに答えて解説していました。仮想通貨を代金の支払いに使用したり、仮想通貨同士の交換をしたりしたときにも課税されるという取扱いは、税に馴染みの薄い人にとっては驚きだったのかもしれませんが、私を含め、税務の関係者にとっては、今の制度からすれば妥当な取扱いだと受け止められたようです。

さあ、確定申告。でもどうやって計算すれば?

昨年12月の国税庁の発表で、仮想通貨の税務上の取扱いが明らかになったものの、さあ確定申告をしようとしたら、具体的に仮想通貨の所得をどうやって計算するのか、困った人も多かったでしょう。仮想通貨の所得は雑所得に区分されるので、年間の収入金額から必要経費を引いて計算するのですが、まさか確定申告をすることになるとは思ってなかった人が大半でしょうから、年間の収入と言われてもなにも記録がない、とか、収入のときの価格と取得時の価格の差が所得と言われても取得時の価格をどうやって計算するのか(特に頻繁に売り買いしていた人)とか、困ってしまった人が多かったようです。

幸いにも、年が明けたあたりから、仮想通貨の所得計算をサポートしてくれるサービスがいくつか出てきて、確定申告が始まる前にはわりと多くのサービスが出ていました。仮想通貨の所得計算のサポートに関しては、こちらの記事にうまくまとめられています。

とはいえ、それでもこの所得計算は簡単ではなかったようで、国際課税に強い税理士が書かれたこちらの記事では、移動平均法による取得価額の計算が現実的ではない、といった指摘もされていました。

来年の確定申告は?

ということで、今年の確定申告で大変な思いをした人は、来年の確定申告に向けて、準備をしておいたほうがいいと思います。仮想通貨の税制がこのままでいいのか、という議論が出てきているようですが、平成30年の税制に関する発表は何もなかったので、もし仮想通貨の税制が変更になるとしても、早くて平成31年以降の税制改正です。少なくとも来年に確定申告をするときには今の制度が適用されますので、さきほどの所得計算サポートを利用したり、早めに仮想通貨に詳しい税理士を見つけて相談したりしたほうがいいと思います。
仮想通貨の税制がこのままでいいのか?という議論が出てきているのなら、どんな制度に変更されるのか?気になりますよね。先月は国会でも仮想通貨の税制がこのままでいいのか、変えたほうがいいのではないか、といったことが議論されたようです。その内容は、また次回の記事で解説しましょう。


平山 哲二


仮想通貨マニア。三度の飯よりも仮想通貨を考えることが好き。10年ほど前から金融商品や海外投資に興味を持ち、リサーチしていたところ、3年前にビットコインに出会う。それ以来、ビットコインやその他の仮想通貨に強く興味を持ち、税務などの観点から仮想通貨を研究している。

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