航空機の都心低空飛行問題・第3回 ~対案と、都民の対抗手段は?~


都心低空飛行問題の第3回目、この問題についての概要の最終回です。

第1回、第2回と様々な危機的な問題が多くあるということをお話させて頂きました。
第1回「あなたの家の資産価値が下がる!?」
第2回「東京の成長にもマイナス!都民が知らぬ間に飛ぶ?」

では、読者の皆様としては、この危機的な問題に対して、回避するための何か対案はないのか、対抗するためにはどうすればよいのか、を知りたいとお思いのことでしょう。
最後の3回目は、その点につきお話をさせて頂きます。


(引用)Narita Airport

1、対案はある。訪日外国人の利便性より、都民の権利・利益を優先すべき!

私も新飛行ルートによる経済効果は、国交省の試算まではいかないと思いますがゼロだとは言いません。観光やビジネスなどのための訪日外国人を増やすという「目的」は私も賛同しております。しかし、そのための「手段」として都心上空を通過するというのは、先述の通り問題がありすぎるので反対しているわけです。
「手段」の再検討、すなわち、都心上空を飛ばさなくても、訪日外国人を増やすやり方を考えればよいわけです。
まず考えられるのは、成田空港や東京に近い茨城空港などへの地方空港へのアクセスを向上し、今述べた空港をフル活用することです。これに対し、国交省は「アクセスの改善が課題」と述べていますが、ならば、アクセスの改善をもっとすればよいだけの話です。
今現在も都心から成田空港へのアクセスとして利用されている京成スカイライナーと成田エクスプレスについて、発車駅と停車駅の路線見直し等で利便性を向上させ停車時間の短縮を行う、本数をさらに増やす、茨城空港まで延伸する、などの拡大充実をはかることが考えられます。同様に成田空港へのアクセスとして利用されている高速バスの発車駅、本数の拡大、運賃見直し、茨城空港便の新設などが考えられます。2024年には成田空港とつながる圏央道の全面開通もなされるということで、バス陸路の利便性は格段に向上されてきています。
また、一時期、構想に挙がった、成田空港と羽田空港を高速で結ぶ「都心直結線」開設のために東京駅近くに「新東京駅」という新駅を作るというものがありましたが、高い建設費用等の問題で全くこれと同じとはいかないまでも、そこまで建設費用がかからない、都心から成田空港や茨城空港まで一気に結ぶ専用の新駅を都心部に作ることも考えられます。幾分かの初期コストはかかりますが、新駅を設置する方が、そこに商業・観光施設と併合させることによって、中長期的には、新たな東京の経済活性化拠点となり、よっぽど経済効果があると思われます。
また、都心上空を飛ばないような角度を持った新しい滑走路を東京湾沖合か神奈川県よりに設けることも考えらえます。まだまだ東京湾上は余裕があると思われるので工夫の余地があります。
これでも、2020年まで時間がかかる、なお不便だ、と言われる方もおられるかもしれません。しかし、よくよく考えて頂きたいのは、今回の新飛行ルートは、着陸便で訪日外国人の増加が主目的であり、都民・日本人ではなくもっぱら訪日外国人のためです。都民・日本人が出発に便利になるということではありません。訪日外国人の利便性のために、騒音、落下物、資産価値下落等で都民の生命・身体・財産権が犠牲になるのは非常におかしなことではないでしょうか。訪日外国人の利便性に、そこまでの優先的価値があるとは思えません。訪日外国人の利便性より、都民の権利・利益の方が優先されるべきです。多少不便でも譲歩してもらって上記の対案を受け入れて頂くしかないと思います。
また、国交省は都心低空飛行ルート案しかないという強硬的な態度ではなく、新飛行ルート案立案者以外の他の専門家を集めた別角度からの視点で考察できる新たな専門家会議を設置し、都民の権利・利益を損なわない他のより良い案を国交省は提示する努力をするべきです。そこで、じっくりと議論をすべきです。必要あらば新飛行ルートの実行を延期するべきだと思います。焦って無理矢理、2020年までに飛ばしても東京が大混乱に陥るだけです。


(引用:日本テレビ)

2、都民はどうすればよいのか?都民の採りうる対抗手段。

さて、ここまで読まれた読者の方にとって、結論はもうお解りのことだと思います。現時点の状況では、この新飛行ルートは撤回してもらい、対案による見直しを行って頂くしかないということです。
その手段として、我々、都民はどうしたらよいのかです。
やはり、住民の声こそが行政としても無視できないはずであり、地道なことですが、声を上げ続ける、もっと声を高めることです。日本人特有の「シカタガナイ」と諦めることなく、この姿勢が大事です。誰かが勝手に何とかしてくれるはずはないのです。
まず、SNSを使って周知をしたり、日常出会う家族、友人、周りの人達などに直接教えて、この問題を広めることです。国交省が積極的に周知する気がないので、我々自身でやるしかありません。
また、自主的に住民同士で、「撤回・見直しの会」などを作り、署名活動を行うことも重要でしょう。
また、国交省に直接、撤回・見直しの要望を伝えることです。国交省は声を聴く窓口として、下記のようにメールフォームと電話窓口を用意してあります。ここに積極的に伝えましょう。
http://www.mlit.go.jp/koku/haneda/cgi-bin/webform.cgi
0570-001-160

また、国会議員、都・区・市の各議員、各自治体の首長にお会いする時や事務所等に、撤回・見直しの要望を伝えましょう。特に、新飛行ルート関係地域が選挙区の議員であれば、この問題を知っているはず(べき)であり、熱心に応じてくれるはずでしょう。そして、やはりこの問題は国政で解決して頂く問題なので、国会議員に強い働きかけをしましょう。
また、地域の住民代表組織として町会があります。町会長や役員にこの問題について、国交省や議会に対して、住民の声を届けて欲しいと要望することです。港区でも実際に町会が動き出しました。

住民の声は届きます。実際、2004年の時に、当時の羽田空港再拡張事業計画で航空機が浦安市上空を通過する案が出ましたが、当時の松崎浦安市長が自治会連合会や住宅管理組合連合会、多くの市民の声を背景に、熱心に反対・ルート変更の要望活動をされた結果、国交省がルート変更に応じたという「事実」があります。

松崎ひでお元浦安市長のホームページ「変化」より
https://urayasu-18years.net/2004/07/01/%E5%A4%89%E5%8C%96/

広報うらやすより(羽田空港騒音問題①・②)
【反対】
https://www.city.urayasu.lg.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/015/730/2004.3.10.pdf
【飛行ルート変更に成功】
http://dl.ndl.go.jp/view/download/digidepo_8210530_po_d00500008_01.pdf?contentNo=1&alternativeNo=

もう残された時間は多くありません。説明会フェーズ4も終わりました。このまま何もしなければ、強引に住民の同意ありとして2020年までに国交省は新飛行ルートを通してしまいます。我々は地道ですが、諦めることなく、上記のようにありとあらゆる手段を使って撤回・見直しの声をしつこく上げ続けることが大事なのです。

都心低空飛行問題の概要につき全3回の連載、最後までお読み頂き、誠にありがとうございました。
今回の連載で一旦、概要のお話は終わりますが、私も引き続き、この問題について追及し、随時、情報提供をして参ります。
是非、皆様も頑張って参りましょう!!引き続き、何卒よろしくお願い申し上げます。


(引用)産経新聞


筒井ようすけ
筒井ようすけ

品川区議会議員(都民ファーストの会所属)
貿易会社役員、太陽光発電アドバイザー。衆院選、都議選にも出馬歴あり。 都政と区政の連携を行い、「品川の成長と改革!」を政策主眼に据えて改革派のモノ言う区議として活動中。民間感覚を取り入れた、納税者目線の政治を心掛けている。 本人のウェブサイト www.tsutsui-yosuke.jp

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