小池都知事と都民ファーストの会の全面的な反撃に期待する


2018年、小池都知事・都民ファーストの仕切り直しを期待する

昨年・2017年は小池都知事と都民ファーストの会にとって隆盛と失墜が一度に訪れる困難な年になりました。自民党との政局上の軋轢が生み出した豊洲移転問題などの追加財政負担の問題や家庭の努力義務まで含む東京都内全面禁煙などの介入政策は必ずしも都民に支持を得られなかったことも事実です。筆者も小池氏と都民ファーストのリベラル気質、そして介入主義的なポピュリズムは好きではありません。

しかし、それでも筆者は小池知事と都民ファーストの会に期待しています。なぜなら、既に小池都知事が希望の党の代表から退いた以上、都民ファーストの会は国政政党と切り離された東京都独自の勢力だからです。小池知事と都民ファーストの会が希望の党と距離を置いて、あくまで東京の視点から国と喧嘩することように望みます。

2018年度与党税制改正大綱は「東京大増税」が狙いだ

2018年度与党税制改正大綱において、自民党は地方消費税の都道府県への配分基準を変更し、東京都の税収配分を1000億円以上もの減収させる内容を盛り込みました。都政新報によると、東京都は500億円、区市町村分が500億円、23区だけでは360億円の減収となります。東京都は減収になって地方交付税の不交付団体なので補填されませんが、その他の減収が予測される自治体である大阪、広島、福岡らは交付税で補填されます。東京都のみが一方的に狙われた税制改悪です。

新設の森林環境税及についても、全国の課税対象は6200万人で約600億円の増税であり、年末の議論の途中で僅かに都市部に配慮されたものの、「私有林人口面積5、人口3、林業従事者2の割合」で分配することになりましたが、東京に関しては大幅な減収であることは疑う余地もありません。もう一つの新設税である国際観光旅客税(出国税)についても、全国旅行業協会の「旅行統計 2016」によると、東京都から出国者割合は全国の4分の1を超えています。所得税の増税対象となる世帯年収850万円以上の給与所得世帯も生活コストが高い東京都民に多いことは明らかです。

つまるところ、与党が作成した2018年度与党税制改正大綱とは、東京都を始めとした都市部への集中的な増税政策のことだと言えます。都知事選・都議選の敗北、そしてその後の衆議院議員選挙の結果を受けて、政権与党が東京都民に対して不当な意趣返しを実行していると捉えることが妥当です。それが彼らにとっての「改正」なのかと怒りを覚えます。

東京都民の利益を代弁する政治勢力の必要性

都議会の自民党は自らの上位組織である国政の自党の政策についてどのように考えているのでしょうか。筆者は一昨年の都知事選挙の際に、東京都の税金を地方に流出させる象徴ともいえる候補者を担いだ自民党の地方偏重政策は一層加速しているように思えます。以前に筆者がネットTV番組に出演した際に、同席した自民都議の方が東京にカジノを作った場合に地方にその利益を財政移転するべき、という耳を疑うような、どこの自治体選出の議員かわからない発言をされていましたが、このような状況では都議会の自民党では東京の利益を代弁できないことは明らかです。

東京都においても大阪維新の会のように確かな政治基盤を持った政党が立ち上がることを通じ、国政において自地域の利益を主張できる勢力が必要であると考えます。小池都知事と都民ファーストの会に、東京都民のために働く、という原点に立ち返り、積極的な情報発信をされていくことを期待します。


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渡瀬 裕哉
渡瀬 裕哉

パシフィック・アライアンス総研所長
早稲田大学大学院公共経営研究科修了。トランプ大統領当選を世論調査・現地調査などを通じて的中させ、日系・外資系ファンド30社以上にトランプ政権の動向に関するポリティカルアナリシスを提供する国際情勢アナリストとして活躍。ワシントンD.Cで実施される完全非公開・招待制の全米共和党保守派のミーティングである水曜会出席者であり、テキサス州ダラスで行われた数万人規模の保守派集会FREEPACへの日本人唯一の来賓者。著書『トランプの黒幕 共和党保守派の正体』(祥伝社)は、Amazonカテゴリー「アメリカ」1位を獲得。主なメディア出演実績・テレビ朝日「ワイド!スクランブル」、雑誌「プレジデント」「ダイヤモンド」など。

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