新興国からのMBA留学を支援するProdigy Finance


英国のテックベンチャーで主に新興国からのMBA留学を支援するProdigy Financeという取り組みがあります。

Prodigy Financeは、INSEAD(フランスのフォンテーヌブロー、シンガポール、アブダビにキャンパスを持つビジネススクール・経営大学院)を卒業した3人が2007年に創設したプラットフォームです。

投資家はProdigy Financeを通じて世界のトップクラスの大学院生に融資することで、明日のリーダーに投資するとともに、財政的・社会的なメリットを得ることができます。

現在までに、世界中で9400人以上の学生に4億1,000万ドル以上の融資が実行されており、借り手の82%は同仕組みを通じて資金調達をすること以外に道がないと回答しており、出身国の構成は新興国からの留学生が78%という割合になっています。このプラットフォームが優れた学生への教育の障壁を取り払うように機能していることが分かります。

借り手は独自の計算式で自らの投資価値を判定されて、保証人なしで年利5~8.5%程度の金利で卒業後半年以降から融資を返済していくことになります。ただし、一流のMBAなどを卒業する収入面インパクトは大きく、十分に借り入れを返済していくことは可能であるように思われます。

上記が支援対象となる留学先のMBAの分布です。欧米が新興国からの留学生をProdigy Financeを活用して受け入れていることが分かります。日本の経営大学院は投資採算性が悪いということでしょうか(笑)

債券の種類は、卒業大学を限定するもの、様々な大学を組み合わせたもの、地域を限定したもの、などの多様な種類が用意されており、投資家は自らの選好に従って投資を行うことが可能です。

日本政府は高等教育の無償化などのバラマキ政策を推進しようとしていますが、それ以前に学習意欲が高く将来性がある学生に対する重点的な投資を行うことを徹底すべきだと思います。教育の平等とは、機会の均等を掴むための努力を行う学生のためにあり、税金ですべての学生に高等教育を与えることは人材・資金・時間の浪費です。

もちろん、高等教育を受けなくても優秀な人材は幾らでもいるわけで、そのような人々に資金調達などの機会が与えられる機会はもっと増えるべきです。

日本でも知恵を出し合って、どのような人々にいかなる教育を与えるべきなのか、ということを、政府の一律の仕組みではなく社会の多様な仕組みとして議論されるようになることを期待します。


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渡瀬 裕哉
渡瀬 裕哉

パシフィック・アライアンス総研所長
早稲田大学大学院公共経営研究科修了。トランプ大統領当選を世論調査・現地調査などを通じて的中させ、日系・外資系ファンド30社以上にトランプ政権の動向に関するポリティカルアナリシスを提供する国際情勢アナリストとして活躍。ワシントンD.Cで実施される完全非公開・招待制の全米共和党保守派のミーティングである水曜会出席者であり、テキサス州ダラスで行われた数万人規模の保守派集会FREEPACへの日本人唯一の来賓者。著書『トランプの黒幕 共和党保守派の正体』(祥伝社)は、Amazonカテゴリー「アメリカ」1位を獲得。主なメディア出演実績・テレビ朝日「ワイド!スクランブル」、雑誌「プレジデント」「ダイヤモンド」など。

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