口だけ政治家はいらない?~感情での判断を超えて


麻生財務相の発言が批判を受けています。

「(福田前財務事務次官のセクハラが)事実ならアウト」
「「『セクハラ罪』という罪はない。殺人とか強制わいせつとは違う」

この発言は野党から大臣の罷免要求があったり、識者から批判を受けています。

まず最初に、今回の発言については詳しく立ち入りません。また、この発言への評価は控えさせていただきます。

話を戻して、個人的には発言を「ありえない」「暴言」と批判するのは簡単なのですが、人にはそれなりの育った環境、見えている事実認識、価値観が違うわけで、ポリティカル・コレクトネス(PC)満開の批判はどうなのかなと思っています。

つまり、
・80歳近いおじいちゃんに対して、若者が「おかしい」という
・20歳の若者に対して、「最近の若者はなっていない、元気がない」という

のは、正直どうなのかということです。

言動は、その人の持つ視野、価値観に基づくものになるのでこういうことが起きがちです。経験でものを言う人間は、多面的に見ている人からすると、「勝手なことをいう人」と捉えられがちです。なので、ポリティカル・コレクトネスにはいろいろと課題があります。

ポリティカル・コレクトネスとは、

政治的・社会的に公正・公平・中立的で、なおかつ差別・偏見が含まれていない言葉や用語のこと

これがいわゆるポリコレ。こうした視点で、政治家を気軽に引きずりおろしたり、批判したり、評価するのはどうなのかなと思っています。

政治家評価は言葉だけでいいの?

政治家を評価される視点として、言動で評価を受けることが多いのが日本の現状です。こうした風潮は何とかならないのでしょうか。

大臣、政治家の評価を言動ですることも多いですけど、政治家さんにも話す場面として色々な場所があるわけです。

・友達との懇親
・仲良い支持者と懇談の場→酒席なら盛り上げが必要
・インタビューへの回答
・会見(オフレコ)
・招待客としてのあいさつ
・式典でのあいさつ
・公式会見
などなど。友達との懇親の場で許される発言を「これは暴言、おかしい」というのは1場面を切り取る、「政治的」な行動ともいえるでしょう。

ちなみに、麻生さんを知るには、以下のサイトを見ていただければと思います。

麻生さんの演説会でのサービス精神ぶり

【出典】政治家最後の訴え、筆者撮影

的外れな政治家評価

我々はどのように政治家を評価しているでしょうか。実績、行動、言動などの断片的な情報からヒントを得て、評価してきたのが実情だと思います。
西村が考える政治家の人事評価は以下になりますが、自分と関係ない人だとメディアでの発言をもとにしか評価できなくなっていきます。

実行力:企画力、意思決定力、目標管理力、危機管理力、状況判断力
マネジメント力:調整力、部下指導力、部下育成力、交渉力、理解力
コミュニケーション力:情報発信力(対内・対外)、伝達力、現状把握力

事実上、少しの発言だけを見て、評価をすることしかできないから仕方ないかもしれません。でもそれでいいのでしょうか。

口だけ政治家は退出してもらおう

この構造だと、口だけの政治家を評価することになりかねません。つまり、政治家の役割を果たせる政治家よりも、口ではいいことを言う人が評価されてしまうのです。

・心に響く言葉を言う政治家
・ワンフレーズで印象的な発言をする政治家
・わかりやすい言葉で政治家

などなど。本来ならこうした政治家は評価されるべきというより、政治家として前提になるべきでしょう。

筆者は小泉進次郎さんと内閣府の地方創生で一緒にお仕事したのですが、グループワークをしていた時にその様子を見ていた小泉さんから「いいアイデアですね」と言われたことがありました。他方、2人きりで共通の友人のことで言葉を交わしたこともあります。

その時に思ったのは、小泉進次郎さんはなかなか凄いなあということです。使い分け、場の空気の読み方、そしてタイミング。

彼のような政治家が増えて欲しいと思いますし、多くの政治家は彼のレベルを目指すべきです。

また、我々は、政治家を見る視点を自分なりにもって、それをもとに、議論や思考をすることが大事だと思います。

「暴言」と思ったなら、その理由はなぜかを考えることから始めたいものです。


西村健
西村健

人材育成コンサルタント、NPO法人日本公共利益研究所(JIPII:ジピー)代表、事業創造大学院大学 国際公共政策研究所 研究員・ディレクター、一般社団法人日本経営協会講師、未来学者。
慶應義塾大学院修了後、アクセンチュア入社。 その後、日本能率協会コンサルティングで経営・業務改革、人材育成、能力開発を支援してきた。独立後、人事評価制度構築・運用、キャリアカウンセリングなどのコンサルタントとして活動中。最近はプレゼンテーション向上、モチベーション施策などに注力。

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