RPAで行政の何が変わるのか~仕事の〇割削減は本当か?


RPA、RPA、自治体の行革に関心がある職員、企業と話していて意見を求められることも非常に多い。今回、地方自治体で業務改善・人事評価の研修をしている専門家としては、何か言っておかないといけないと考えた。

RPAとはいったい何???

Robotic Process Automationの略称である。基本的な定義は、機械学習・人工知能といった認知技術を活用した、主にホワイトカラーの業務である。簡単に言うと、事務作業の効率化・自動化といえる。

ロボットによる業務を自動化する取組みで、「デジタルレイバー(Digital Labor)」とか、「仮想知的労働者」とも言われている。人間が行う業務の処理手順を操作画面上から登録しておくだけで、ソフトウェアが処理してくれるのだ。

わかりやすいように言うと、エクセルのマクロを発展・強化させたレベル、パターン認識レベルと考えればなんとなくイメージできるだろう。主にバックオフィスにおけるホワイトカラー業務の代行を担うことになる。

なぜ、ブームになっているのかというと、人工知能、特に機械学習の発展が背景にあるからだ。ブルーカラー(工場)の生産性向上がこれまで進み、その流れがホワイトカラーにもできないかと波及したと考えればよい。さらに、企業内でのアウトソーシングが日常に行われるようになったことも大きな要因としてあげられる。

具体的にどういう業務に適用されるのか?

具体的には
・請求書の入力
・マスターデータの作成
・アカウント作成
・レポート作成
・バックアップ作成
・受注情報の
・照合処理
などいわゆる事務作業において適用が可能と言われている。

実は、すでにRPAツールとしては様々なものが市販されている。身近なとこだと、画像認識技術によって手書きの文章から自動的に表計算ソフトにデータを落とし込んでもらうものなどがよく使用されている。

私の意見であるが、
・繰り返し業務
・作業が多く発生する
・手作業でやっている
といった業務に向いていると考えられる。

自治体ではどうか?

茨城県つくば市、株式会社NTTデータ,クニエ,日本電子計算などが1月11日から共同研究を開始した。。これは自治体と企業の共同研究だそうだ。
最近ニュースで「行政の単純業務、自動代行ソフトで8割減」と聞いた方もおられるだろう。つくば市では、通知発送業務における手作業での発送作業部分などで成果があった模様だ。

石川県加賀市では、RPAツールの「UiPath」を活用し「時間外勤務集計業務」、「契約管理システムと電子入札システムの相互連絡事務」、「財産貸付・使用許可事務」の3つの業務に対するRPAのパイロット導入をすすめている。

これらの成果として、事務量の削減、品質・ミス削減、生産性向上が期待され、今後広がりを見せていくことが確実である。なかなか働き方改革や行革が進まない今、大変喜ばしいことだ。

しかし問題は?

とっても評価するこの取組であるが、懸念点もあったりはする。今は初期段階だからいいが、これがより広まってくると、自動化する業務の見極めは結構重要になってくるだろう。

RPA導入3年後、人だったらこうすべき!と改善すればいいだけのことが、RPAは対応できるのかどうか。RPAがどのように処理しているのかわからないものの場合、対応できなくなる。その頃には導入の際の行政側の担当者も、IT企業の担当者も変わっていて、使えなくなるということになりかねない。導入の際のリスク検討は慎重に行うべきだろう。

しかし、大いなる可能性もあるもの。行政の「当たり前」になってもらえるよう、今後に期待したい。


西村健
西村健

人材育成コンサルタント、オムニメディア代表、NPO法人日本公共利益研究所(JIPII:ジピー)代表、一般社団法人日本経営協会講師、未来学者。
慶應義塾大学院修了後、アクセンチュア入社。 その後、日本能率協会コンサルティングで経営・業務改革、人材育成、能力開発を支援してきた。独立後、人事評価制度構築・運用、キャリアカウンセリングなどのコンサルタントとして活動中。最近はプレゼンテーション向上、モチベーション施策などに注力。

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