モリカケ問題で国会を批判する人たちへ


国会の会期末まで1ヶ月を切り、与野党の攻防は激しくなっている。改ざん前文書の国会提出も今週行われる。ただし、森友、加計問題が中心の国会論戦に対しての批判も強くなってきた。

「いつまで森友・加計問題をやっているのだ」
「税金の無駄遣い」
「もっと大事なことを議論しろ」
「他に大事な政策を話し合え」
みたいな議論が多い。

また、一方で、
「安倍を持ち上げるのはゴミみたいな連中」(山口二郎氏)
「周りの友達を優遇することが原因」
「昭恵氏の関与が明らかになれば、責任を取らざるを得ない」
みたいな感情優先の主張もある。

どっちもどっちである。

政局でしかない。

主張はいいけど、建設的ではない

片方は、政策の議論が国会の予算委員会(いわば、儀式のようなもの)で真面目に行われているという誤解。そもそも、議論をして内容を深める場ではない。政府の意見を聞く場にしかすぎない。既に決まっていて、政策方針の修正の余地は少ない。

片方は、政争の具のように活動する人。好き嫌いとセージゲーム。例えば、麻生さんの発言を批判して、「問題発言」とアピールする。なんとか政権をひきずり下ろしたい、少しでもアピールしたい感がみえみえ。から回っているとしかいいようがない。批判には建設性が感じられない。

本当の論点

私は自民党でも、立憲・国民民主党でも、公明党でも、共産党の立場でもない。どの立場でもない私だからこそ、意見を言おう。

特に
・公文書の改ざん
・首相や関係者が嘘をいったかどうか
・一部利害関係者の優遇・縁故主義
・選定プロセスにおけるフェアネス
・籠池容疑者の長期の拘束
について、森友問題・加計問題はとても重要なのである。
この政治体制・民主主義的の根幹である。

安倍政権は数々の「不文律」を壊してきたのだ。

□内閣法制局長官の人事【2013/8/8】:「四省責任体制」なる不文律(長官と次長には法務省、旧大蔵省、旧通産省、旧自治省いずれかの省の出身者が就く)を壊す
□NHK(日本放送協会)経営委員会の人事【2013/11/8】:NHK経営委員の国会同意人事は、その公共放送の性格上、全会一致が不文律。国会同意人事案を与党などの賛成多数で可決
□最高裁判所判事の人事【2017/1/13】:安倍内閣は最高裁判事が定年退官を迎える最高裁判事の後任を閣議決定、日弁連提出の推薦名簿以外の山口厚氏が任命。不文律で最高裁判事は、出身による枠組みがあった

つまり、いいか悪いかは別にして、政権維持に熱心で、世論や支持率に対して敏感な政権。そういった政権だからこそ、ルールを守ることの意味を問わないといけない。

野党は、政権維持のためには手段を選ばない政権なのだから、これまでとは違った対応をしなくてはいけない。

与党は、「EBPM:エビデンスに基づく政策形成」という取組みを大々的に進める前に、データの改ざんとか、公文書の改ざんとかあらゆる前提条件を崩すようなことを認めてはいけない。

政治家には厳しくしないと成長しない?

尊敬する元サッカー日本代表の三浦知良さん、「KAZU」さんは「厳しさはプロを育てる」という題の文章の中でこう述べる。

「周囲からの厳しい視線や高い要求、もう明日はプレーできなくなるかもというプレッシャーがなければ、選手は成長できない。批判にさらされることが当たり前のブラジルで育った僕は、いつもそう考えてきた」(日本経済新聞2015.04.24)

また、以前紹介したが、サッカー日本代表のGKである川島さんが言っていた

「だからいつだってヴァイッド(ハリルホジッチさんのこと、筆者注)の要求は僕にも厳しかった。褒められたことは一度もない。代表も外された。お前は代表に呼ばれる立ち場にないとも言われた。でも、キャリアの中で、成長するきっかけをくれたのは、いつだって自分にNOと言ってくれる人だった。」
「川島永嗣オフィシャルブログ」2018.4.9記事、原文ママ

つまり、厳しさが重要なのだ。政治家に成長してもらうためには、国民による厳しい意見にさらされる必要がある。あんなに高給で、特権を享受しているわけだからその点は理解してもらわないと。

渡瀬裕哉主筆が「政治家は批判されるのが仕事」といっていたがその通り。
もっと批判しよう。

しかし、今の批判はあまりに短絡的だ。もうちょっと論理的で、安倍首相も納得できるような批判をしないと。


西村健
西村健

人材育成コンサルタント、オムニメディア代表、NPO法人日本公共利益研究所(JIPII:ジピー)代表、一般社団法人日本経営協会講師、未来学者。
慶應義塾大学院修了後、アクセンチュア入社。 その後、日本能率協会コンサルティングで経営・業務改革、人材育成、能力開発を支援してきた。独立後、人事評価制度構築・運用、キャリアカウンセリングなどのコンサルタントとして活動中。最近はプレゼンテーション向上、モチベーション施策などに注力。

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