【第1回】ミャンマー・ビジネス最前線


ラストフロンティアーと言われ、日系企業が多数視察に訪れ、またニュース等でロヒンギャの問題が最近、取りざたされているミャンマーですが、2015年の選挙で、アウンサンスーチー氏率いる国民民主連盟 (NLD)が勝利し、民主国家となったため、この前後からの経済発展が目覚ましい。

【出典】http://www.apex-asia.co.jp/area/myanmar

このミャンマーに、筆者は4年ほど前よりコンサルティングに出かけております。これまでは農業・食品や服飾/テキスタイルといった軽工業中心の産業であったが、開国後に重工業や組立産業(電機・機械等)の外国企業が低賃金を求めて参入してきている。また、最近は現地資本の大型スーパーCity Mart/Ocean、イオンモールも建設、またスターバックスやKFCも出店されてきた。ミャンマーは天然ガスが取れるにも関わらず、電力事情が非常に悪い。以前より大きく改善したが、まだ日に一度は瞬停(瞬間停電)はある。以前は日に何度も15分程度の停電があったことからすると気にならなくはなった。交通は自動車中心である。ほとんどが日本、韓国の中古車中心であり、トラックやバスには日本語で、元所有者や企業の社名などが書かれているものがそのまま走っているため、とても微笑ましい。
ミャンマーには1877年創始の鉄道があるが整備が行き届いていないため。日本のODAが非常に活用されている。たくさんの中古車両が日本からほぼ無償で輸出され、かつJR東日本を中心に線路の保線、引き直し、整備技術のノウハウ・トランスファーが行われており、エリアによっては劇的に改善してきたといわれている。

【出典】ミャンマー国鉄の電気機関車、筆者撮影

飛行場も劇的に改善されている。4年前に初めて、マンダレー空港に行った際は、切れた蛍光灯が天井に並び、空港職員はスマホに興じ、食事するところもほとんどなく、とてもミャンマー第二の都市の空港とは思えなかった。しかし、三菱商事とJALの子会社であるJALUXの合弁会社がオペレーションを請負、大いに改善されてきた。ヤンゴン空港では国内線も劇的に整備、新築され、数年前からすると信じられない。

【出典】マンダレー空港の三菱自動車の展示、筆者撮影

街中では工業団地、ビルの建設や下水道工事がなされている。
このように、ミャンマーのインフラは劇的に改善している。ここには大きなビジネス・チャンスがあるといえる。
筆者は食品会社の安全・衛生レベルの向上支援にも携わっている。生活水準が向上すると、安全・安心な食生活をしたいというニーズである。以前は上半身裸、裸足で仕事をしている従業員が多数いた工場も、作業着、帽子、作業靴を履き、エアシャワーで製造工程に入らないといけない工場も出てきた。また、賞味期限を伸ばす技術も薬品を使うのではなく、レトルト技術にトライする企業も出てきた。

【出典】安全衛生的な最新食品工場、筆者撮影

【出典】レトルトパウチされたミャンマーの伝統的な食べる発酵茶葉ラペソ、筆者撮影

しかし、悩ましいのは本格的に食品機械ビジネスでミャンマーに進出してくる外国企業がまだ少ないということである。日本企業もまだ本格進出してきていない。もし機械を調達したければ、中国、台湾、タイ、欧米といった国からの輸出に頼らないといけない。このあたりがまだまだ発展のスピードを阻害している。ティラワ工業団地のように外国企業が多数進出してくると、便利になり、変化が加速すると思われるが、そのあたりはまだ時間がかかりそうである。
本号では、ミャンマーの最新動向について、インフラ、農業・食品といった観点からレポートしました。親日的な方が多数いるこの国の方々と、ぜひビジネスを協働で成功させたいものです。

【関連リンク】
JMAホールディングスASEAN推進プロジェクト
http://www.jmahd.co.jp/asean
IIJ Global Reach
https://www.iij.ad.jp/global/column/column78.html


野元 伸一郎

みらい株式会社 COO 統括本部ディレクター兼海外・民間チームリーダー
元株式会社 日本能率協会コンサルティング(JMAC)シニア・コンサルタント グローバル開発革新センター センター長 北陸先端科学技術大学院大学 知識科学研究科 博士後期課程修了。専門は開発設計マネジメント革新/イノベーション、技術ロードマップ、開発プロセス革新、プロジェクト・マネジメントで、ASEANビジネス革新のコンサルティング、研修等を推進。最近は日本の地方創生にも挑戦している。 連絡先:shinichiro.nomoto@go-mirai.jp HP: https://www.go-mirai.jp

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