【新時代の行財政改革(第1回)】行革議論を促すのが政治家


福岡市議会議員の天野こうです。
今回私が取り上げるテーマは行財政改革です。行財政改革(略称:行革)は私が一番の力点を置いていると言っていい程、重要視しているテーマですが、世間的にはまだまだその認知度も低く、重要性に関する理解も乏しいと思っています。
行革を「経費縮減と業務効率化をもって住民サービスを向上させる」と訳した場合、当たり前のことのようですが、実際の役所や議会の現場において、常日頃から議論されているかと言うと、そうでもないと感じているところです。

DNA運動

私のいる福岡市では2002年に各自治体に先駆けて「DNA運動」という役所改革が行われ、その後も脈々と行革の取り組みが行われてきた変遷があります。

福岡市 行財政運営の取り組み

DNA運動が職員の方々の意識変革にも取り組んでいたことから、時の首長によって取り組みの温度差はあっても、それらの職員がまだまだ現役で働いている現状を鑑みますと、私もそういった職員と接するにつれて、よい取り組みだったのだなと感じています。

ただ当然のことながら、役所の日常業務と違う視点で取り組んでいく必要があることから、議員としてもしっかり取組のチェックをしていかなければならなりません。

役所内外から見た行革

行革とは場合によっては現在の業務内容の自己否定を伴います。そのハードルの高さもさることながら、役所組織の特性として失敗を過度に恐れる傾向があります。失敗するリスクを恐れて、課題はあっても結局何も取り組まれない懸念があります。

それは役所が安定した行政サービスを提供し続ける必要がある以上、一定致し方ない面もあります。かといって当事者としての取組みづらさがある。そういった側面から、行革の推進には「外部からの指摘」が重要です。前述のDNA運動においても、慶応義塾大学の上山信一教授を中心とした第三者機関が中心となって、あらゆる役所業務・組織の問題点等を指摘していったようです。

東洋経済 自治体DNA革命
 
役所にとって現場外の人達から好き勝手に指摘されることは、たまったものではないかもしれませんが、客観的に見ておかしいと思われる業務のあり方に理路整然と答えられる、また柔軟に仕事内容を変えられる役所組織であることは重要です。
一方で第三者機関はコストもかかりますし、常に存在する機関とも限りません。であるからこそ日常的に役所組織の仕事ぶりをチェックする議会にこそ、その権能が強く求められると感じるのです。

行革議論の難しさとその必要性

私が行革に関心を持ったきっかけは、橋下徹前大阪府知事・大阪市長時代の役所改革にあります。それまで政治・行政自体にほとんど関心のなかった会社員であった私が、橋下氏の「税金の無駄遣いをなくすのが政治家の役割」といった言葉に的を得た感触を持ちました。
しかしながらいざ政治の現場に入ると、そういった議論は低調なばかりか「税金をつかえ」、「なぜ何々に予算をつけられないのか」といった議論ばかりで、行政実務の効率化の議論は中々聞こえてきませんでした。
議員という立場上、「あれをやる/これをやる」といった論調の方が、有権者にはダイレクトに響きます。一方で「あれを削れ/効率化しろ」といった論調では、後ろ向きに捉えられかねず、場合によっては有権者の批判の的になってしまいます。
高度経済成長の裕福な時代であればよいかもしれませんが、これからの少子高齢化時代は限られた財源をいかに効率的・効果的に市民に還元できるかが重要です。むしろそこにこそ議論の必要性がある訳で、議員の果たす役割も重要であると考えています。

そういった訳であまり活発でない行革の議論ではありますが、悲観はしておりません。むしろそこにこそ私の存在意義があると信じて、これから先の将来に渡って持続可能な行政運営ができるよう、時には批判も覚悟の上、議論を行って参ります。


天野浩
天野浩

福岡市議会議員(西区選出)
土木資材製造会社にて勤務後、衆議院議員秘書を経て現職。

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