トランプ大統領の大物スポンサーからバノンが捨てられた!


(FTから引用)

先日、「スティーブ・バノン前首席戦略官の政治生命は終わった」という記事をアップしましたが、本日付けフィナンシャル・タイムズの続報でそれが決定的になったことが分かりました

トランプ大統領とバノン氏との間の確執、ブライトバートニュースを首になったこと、暴露本の内容などについてフィナンシャル・タイムズが色々書いているのですが、その中に「『レベッカ・マーサー』がバノン氏の支援から手を引いた」という一文がありました。

レベッカ・マーサー女史は事実上トランプ大統領の選挙時の大スポンサーであり、ニュースサイト「ブライドバートニュースネットワーク」や選挙戦のIT分析会社「ケンブリッジアナリティカ」などの事実上の所有者ではないかと思われています。トランプ政権の政権移行チームの執行役員にも名前を連ねていた重要人物となります。

レベッカ・マーサー女史の父はロバート・マーサー氏というNYのヘッジファンド創業者であり、昨年の選挙時にはトランプ大統領の選挙時の選挙資金を扱うスーパーPACの前身になったテッド・クルーズの同PACへの出資者でした。トランプ氏とロバート・マーサー氏が夏に面会を行った日から徐々にトランプ大統領の選対が再構築されていき、保守系の草の根団体が支持を行い始めました。バノン氏やケリーアン・コンウェイ女史(現大統領顧問)もマーサー氏がトランプに紹介したことになります。

トランプ大統領は常にマーサー氏に配慮しており、シャーロッツビルの事件後にバノン氏を更迭する前にロバート・マーサー氏と面談する場を設けています。つまり、バノン氏とはマーサー氏の名代としてトランプ政権に存在していただけのことであり、そのマーサー一族がバノンを切ったことでバノン氏の命運は完全に尽きたと言えそうです。

選挙後には「バノン氏の思想が世界を滅ぼす」的なトンデモ論説がメディア上を賑わせたため、米国政治を冷静に分析している人々は一笑に付した経緯があります。今後もThe Urban Folksでは意味があるトランプ政権・米国政治の分析を皆様に提供してまいります。


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渡瀬 裕哉
渡瀬 裕哉

パシフィック・アライアンス総研所長
早稲田大学大学院公共経営研究科修了。トランプ大統領当選を世論調査・現地調査などを通じて的中させ、日系・外資系ファンド30社以上にトランプ政権の動向に関するポリティカルアナリシスを提供する国際情勢アナリストとして活躍。ワシントンD.Cで実施される完全非公開・招待制の全米共和党保守派のミーティングである水曜会出席者であり、テキサス州ダラスで行われた数万人規模の保守派集会FREEPACへの日本人唯一の来賓者。著書『トランプの黒幕 共和党保守派の正体』(祥伝社)は、Amazonカテゴリー「アメリカ」1位を獲得。主なメディア出演実績・テレビ朝日「ワイド!スクランブル」、雑誌「プレジデント」「ダイヤモンド」など。

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