【特別企画】UrbanFolks流、サッカーワールドカップ観戦ガイド(その16)


russia flag

日本代表の意外な躍進。

西野さんは「持っている」、ケイスケホンダさんはメディアアイコンとしての危機を乗り越え、永遠のサッカー小僧の乾さんは野洲育ちのセクシーさを見せつけ、大迫さんの鉄板「半端なさ」を見せつけ、昌子さんは赤い悪魔の電撃カウンターに悔しさをかみしめ、一試合も出れなかった植田さんは海外挑戦の覚悟を決める、、、、国民皆さんが「盛り上がった」イベントであった。

個人的には、五輪後に来るだろう経済危機、社会の分断、自然災害などの兆候を見るにつけ、こうした盛り上がりにおいて今のうちに国民的な自信をつけて置くことも必要なのかな。と思ったりする。

この【特別企画】UrbanFolks流、サッカーワールドカップ観戦ガイドはなんと16回を迎える。政治とサッカー、移民など筆者の趣味に沿った記事ばかりだったが、「サッカーワールドカップ観戦ガイド」で検索してみると上から17位と大いに健闘している(驚)。新しいメディアとしては上々の出来かな、読者の皆様に感謝したい。

さて、もうすぐ決勝戦。この連載も終わってしまう。最後は最後らしく戦術分析をしようと思ってはいるので、今回は開催地ロシアについて考えたい。実は、筆者はロシア政治には相当詳しいが、その秘密は明かせない(笑)。

プーチンさんとサッカー

今回ベスト8入りしたロシア代表。「史上最弱の代表」だったが、その健闘は凄かった。戦うチーム、一体感があり、走り切るチームという印象だ。

プーチンさんは言う

「わが国ではサッカーは単なる人気スポーツではない。単なる世界一美しいスポーツではない。人々はサッカーを心から愛している」
「サッカーへの愛は、言語やイデオロギーを超えて世界を一つのチームに団結させる」

この「言語やイデオロギーが大事」という言葉が示す意味は何か。

そもそもロシアは言語、イデオロギー、民族などなど多くの面で分断されている。今ほど団結が求められるときはない。

経済は振るわない。主要産業は鉱業(石油,天然ガス,石炭,金,ダイヤモンド等),鉄鋼業,機械工業,化学工業,繊維工業であり、GDPは1兆2,807億米ドル(外務省HP)と巨大国家に見えるが、資源や重厚長大産業中心であり、ハイテク溢れる現代において未来を感じさせない。若者もそう同うようだ。

経済的影響力、国民のプライド、周辺諸国との関係、はっきり言ってうまくいっていない。

そのため、かっての大国が焦って強圧手法のリーダーシップで進めるしかないのが現実のところだ。だから、おそロシアなどと言われてしまう。

おそロシア

今回でもその「おそロシア」の一端が垣間見られた。ロシア政府系テレビの中継解説で、前ロシア代表監督スルツキさんが(冗談のつもりで)ブロガーであり、政治活動家のナワリヌイさんの名前に言及。

政権が大統領選挙への立候補を止めようとしたほどの人物であるナワリヌイさんに言及する勇気はさすがだが、こんなことをされている人なわけで、

結果、政権の逆鱗に触れ、解説役から外されたとされている。

まさに、権威主義国家である。言論の自由はないかもしれない。民主主義国家とはいえないと正直のところ思う。中央集権の「新しい帝国」。ドローンやAIを活用した無人兵器などの開発に優れ、サイバー戦争における勝者として、つまり、「シャープパワー」として生きていくしかないのだろう。

新しい帝国どころか・・・

シリア問題においても大国の責任など果たしているとは思えない。国内を締め付けても、デモは起きるわ、ウクライナや近隣ともめるは、過去の仲間は皆EUに入りたがるは・・・・。正直、日本の北方領土どころではないのかもしれない。

どうにか生き延びるために必死、だから強圧的になる。

サッカーも富豪が支援していて、選手に与える年俸が高いわりにリーグとして成功しているわけではない。ケイスケホンダさんが在籍していた時ほど著名選手もいない。

政治もサッカーもは八方塞がり。

だからこそ、今回国民が熱狂したのだと思う。チャンスはなく、自分の成長や飛躍や未来が見込めない若者たちの憂鬱が社会を覆っている。しかし、夢から醒めて、現実と将来を見なくてはいけないときは来る。

日本も人のことを言えないけどね。

ワールドカップ特別企画

第1回 「【特別企画】UrbanFolks流、サッカーワールドカップ観戦ガイド(その1)」
第2回 「【特別企画】UrbanFolks流、サッカーワールドカップ観戦ガイド(その2)」
第3回 「【特別企画】UrbanFolks流、サッカーワールドカップ観戦ガイド(その3)」
第4回 「【特別企画】UrbanFolks流、サッカーワールドカップ観戦ガイド(その4)」
第5回 「【特別企画】UrbanFolks流、サッカーワールドカップ観戦ガイド(その5)」
第6回 「【特別企画】UrbanFolks流、サッカーワールドカップ観戦ガイド(その6)」
第7回 「【特別企画】UrbanFolks流、サッカーワールドカップ観戦ガイド(その7)」
第8回 「【特別企画】UrbanFolks流、サッカーワールドカップ観戦ガイド(その8)」
第9回 「【特別企画】UrbanFolks流、サッカーワールドカップ観戦ガイド(その9)」
第10回 「【特別企画】UrbanFolks流、サッカーワールドカップ観戦ガイド(その10)」
第11回 「【特別企画】UrbanFolks流、サッカーワールドカップ観戦ガイド(その11)」
第12回 「【特別企画】UrbanFolks流、サッカーワールドカップ観戦ガイド(その12)」
第13回 「【特別企画】UrbanFolks流、サッカーワールドカップ観戦ガイド(その13)」
第14回 「【特別企画】UrbanFolks流、サッカーワールドカップ観戦ガイド(その14)」
第15回 「【特別企画】UrbanFolks流、サッカーワールドカップ観戦ガイド(その15)」
第16回 「【特別企画】UrbanFolks流、サッカーワールドカップ観戦ガイド(その16)」
第17回 「【特別企画】UrbanFolks流、サッカーワールドカップ観戦ガイド(その17)」
第18回 「【特別企画】UrbanFolks流、サッカーワールドカップ観戦ガイド(その18)」
第19回 「【特別企画】UrbanFolks流、サッカーワールドカップ観戦ガイド(その19)」


西村健
西村健

人材育成コンサルタント、NPO法人日本公共利益研究所(JIPII:ジピー)代表、事業創造大学院大学 国際公共政策研究所 研究員・ディレクター、一般社団法人日本経営協会講師、未来学者。
慶應義塾大学院修了後、アクセンチュア入社。 その後、日本能率協会コンサルティングで経営・業務改革、人材育成、能力開発を支援してきた。独立後、人事評価制度構築・運用、キャリアカウンセリングなどのコンサルタントとして活動中。最近はプレゼンテーション向上、モチベーション施策などに注力。

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