水道民営化に反対する人たちへ


今回水道法改正案は国会で可決されなかったが、
・水道料金が倍になる! 
・外資にのっとられる
・命の源を売り飛ばす
・欧州では再公営化の傾向
といって騒ぐ人たちがいた。もう開いた口がふさがらない。

そもそも安い水道料金だったわけで、人口減、古いインフラ更新を踏まえると、今後、上がるのは仕方ないことを我々は自覚しないと仕方ない。
その前提があるのか。

こういった「政治的」な価値観運動はやめてもらいたい。自分の住んでいる自治体の水道事業概要見たことあるのか?戦略がないとか?実態を見ているのか?どれだけ委託しているのか知っている?官=正義、民間=金儲け主義って頭古くないですか?
あと、数か所がそうなったから「再公営化の傾向」っていうならさ、最低でも半分以上が再公営化されてから言ってほしいね~。

水道民営化法案じゃなくて、正式名称は水道法の一部を改正する法律案(平成30年3月9日提出)。広域連携の推進、適切な資産管理の推進、官民連携の推進などあたり前のことしか書いていない。

水道は止められてしまうんだけど、知らないの?

「水は命」とかいう人がいる。そりゃそうだが、シビアなサービスでもある。ふつーに水道はビジネスだよ。既に。
お金を払わなかったら止められる。しかも、東京都からは止めるという連絡の電話すらないのだ。いきなり止められる。通知1つ。
公営だって容赦ない。公営だろうが、民間だろうが関係ないということだ。そもそも自治体に専門職を育てる余裕すらない。しかも、高給で雇っている。水道を公営のまま・・・公務員のスキル・専門性もどうやって確保するの?自治体の職員育成・ノウハウ、どうやって確保するの?
公営か民営かなんていう議論をしている人は、これまでの公民連携の蓄積と現実を見ているのかね?

再公営化???

再公営化が行われたパリの事例がよく言われる。まとめると以下になる、

(1)経緯
・パリ市の上水道事業は長年にわたって、ヴェオリア、スエズに委託されてきた
・1990年代以降、水道料金が2倍以上に→市民の不満が高まり
・2008年には上水道事業の再公営化を公約の一つに掲げたドラノエ現市長(社会党)が再選、シラク元市長が入札なしに両メジャーと交わした25年間の長期委託契約(営業はヴェ 社、セーヌ川右岸の給水・料金徴収はヴェ社、左岸はス社)が2009年末で終了するのを機に、100 年以上にわたった民間委託が取りやめ
・パリ市の上水道事業は公営に戻された

(2)民営化の問題点
・パリ市の監督・財務・契約チェックが行き届かない(親会社と子会社の契約が複雑)、透明性の欠如
・会計面の不備:州会計検査院からの指摘「一般水準より多いリース料が支払われている」「維持管理のための積み立てが不十分」
・1990年代以降、料金が2倍以上に(2,6倍)

(3)再公営化の効果
・責任の所在の明確化と適正な料金設定
・留保していた利益・各種納税・株主への配当金など3500万ユーロが節約

(4)反論
・1980年代にインフレ対策として公共料金を抑制、老朽化した設備の更新が先送りされたツケが回っただけ

そりゃパリとか東京とか大きい自治体は大丈夫だろう。それなりの規模で大きい組織だし、職員も育つわけ。正直どっちでもいいの。
問題は他の自治体なの。いっぱいある大都市以外の自治体。

フランス人のパリ市副市長さんが来日し、会見を行っている。

ある団体は「世界的趨勢になった水道事業の再公営化」とか主張する。あと「再公営化は民主的統治を確立する機会になる」とか。これらは見ていただければ幸いだが、ほんと意味不明である。

過去に、市議会という民主的な監視機能はなかったの?批判する企業をなんで監査できなかったの?機能は働かなかったの?という疑問が出てくる。
ちなみに日本政策投資銀行の視察団報告書に明らかだが、近隣各市の担当者が「パリ市の再公営化は政治的な行為」と発言しているほどだ。特に言いたいのは民営化による水道料金の削減額として

リヨン市:20%低下
イル・ド・フランス地区:11%低下

【出典】「フランス・英国の水道分野における官民連携制度と事例の最新動向について」

といった事実がまったく取り上げられないこと。なぜだろうか?

専門家に言わせれば、今回の水道法の改正はせいぜい委託が進むくらいと言われている。値上げしないよう、色々アイデアを出してコスト削減が目的であるんだ。公営・民営かの神学論争の場ではないはず。そんな段階を過ぎている。
公営化のままでいいなら高い水道料金を払いつづけるわけで、、、、。問題は経営効率。そこをどう考えるのか。答えを教えてください。


The Urban Folks 編集部
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