<東京大改革の今:第14回>時差BIZで何を救えるか>


【出典】筆者撮影

酷暑が続く日本列島。なんでこんなに暑いのか、仕事場どころか駅まで歩く間に汗だく・・・。皆苦しんでいる。その時思う「今日くらい家でしごとさせて~」と。

都会で働く人の夏場。

汗をぬぐい駅までたどり着き、改札で整列している間に汗まみれになり、通勤電車に乗り、駅構内で人込みを嗅ぎ分け、隣の人の汗に触れ・・・といったつらい毎日。政治家さんはこうした経験をどこまでしているのだろうか。

わざとぶつかてくるおじさん?

話を戻して、ちょっと前に、「わざとぶつかてくるおじさん」が話題になった。

いわゆる、あたりやおじさん。

女性や子ども標的としてSNSで報告が相次いだ。

女性から、「中年以上」「スーツ姿の男性」にぶつかられたという声が続出とのことだが、たまたまなのか、わざとあたってくるのかは本当のところわからない。しかし、あたってくるという印象を受けた、恐怖感を感じたということは事実。

わざとかどうかは別に、ラグビーの肉弾戦よろしく、突っ込んでくる人はいる。筆者は固いバックの角をあてられて指にあたり痛い思いをした・・・。

なんなんですかね・・・・。それだけ混雑しているということだ。新宿駅、東京駅など自分は避けているが、そのほかの駅も本当に混雑度が激しい。そこを避けても、駅構内でキャリーバックがあたる、方向をふさがれるなどは日常茶飯事だ。

恐ろしいレベル。

「時差BIZ」の取組み

そうした状況を緩和しようと、東京都の「時差BIZ」がはじまった。
目的は企業や鉄道会社と連携して通勤ラッシュ緩和を目指すこと。

取組は

29年度:7月11日から7月25日の実施で約320社が参加
30年度:昨年の倍の740超の企業が参加を表明

メリットは

個人:満員電車の回避、通勤時間の有効活用
企業:生産性向上

成果は

通勤時の快適性向上:58%
仕事の効率性向上:54%

ということで運動としては広がっている。ちなみに29年度は6000万円、今年度は9000万円の費用が掛かっているが、東京でのこうしたキャンペーンはこれだけかかるのは仕方ないところ(専門家としての筆者は大いに疑問だが)。

違うだろ~の声もあるが、過去にこうした取り組みを掲げた首長はいただろうか?

新たな「働き方改革」を提案することができるのは地方自治体のチャレンジから

国土交通省の研究「国土交通政策研究第55号:交通の健康学的影響に関する研究」では

混雑度合いと日常ストレス度、認知機能との関係を見ると、通勤混雑度が高い(200%を超えている)被験者は起床時の 17-OHCS(日常ストレス度)が高い傾向にあり、判断力等の認知機能にも影響を及ぼしている可能性が推測

とされている。この研究は13年前の2005年に行われている。これ以来、日本国の取組みで通勤対策的なものはあっただろうか?

電車通勤をしないでいい総理や大臣がどこまで混雑が生産性を下げているのかは知らない、理解できないだろうが、東京圏の混雑は異常。無用な我慢、ガンバリズムの時代の名残、40年体制の名残のようなものであり、「前近代」としかいいようがない。まだ我々は昭和のメンタリティを引きずっている。

「時差BIZ」のやり方に少し問題はあるが、チャレンジは認めざるを得ない。

次は、「通勤地獄解消」という問題解決に本気で取り組めるかどうか。
本気で取り組む方法は色々ある。

・自宅勤務の誘導
・ネット会議推進
・フレックスタイム制度の普及・促進
・本社機能移転
などなど問題解決に本気で取り組めるだろうか?

東京都と委託契約している自治体だけでも、そうした取り組みは課せないかな?と思うのである。都庁では既に始めているのだから。


西村健
西村健

人材育成コンサルタント、オムニメディア代表、NPO法人日本公共利益研究所(JIPII:ジピー)代表、一般社団法人日本経営協会講師、未来学者。
慶應義塾大学院修了後、アクセンチュア入社。 その後、日本能率協会コンサルティングで経営・業務改革、人材育成、能力開発を支援してきた。独立後、人事評価制度構築・運用、キャリアカウンセリングなどのコンサルタントとして活動中。最近はプレゼンテーション向上、モチベーション施策などに注力。

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