東京五輪チケット価格、根拠をオープンにできないのはなぜ?


【出典】五輪サッカー決勝が行われる横浜国際総合競技場(日産スタジアム)、筆者撮影

灼熱の中、2年後に行われる東京五輪・パラリンピック。
2020年東京五輪・パラリンピックマスコットの名前が発表され、「ミライトワ」と「ソメイティ」 というらしい。その直前に、チケット価格についての発表があった。しかし、算定根拠は明らかになっていない。

五輪のチケット価格が明らかに

東京五輪チケットに限ると

・全33競技339種目で780万枚
・開閉会式のチケット価格の幅は、最低価格が12,000円、最高価格が300,000円
・競技の一般チケット価格の幅は、最低価格が2,500円、最高価格が130,000円
・チケット全体の半分以上が、8,000円以下で購入可能
・2,020円の企画チケットを設定

【出典】公式サイト

個別競技で見て、最高額順に並べると以下のようになる。

陸上競技(トラック&フィールド) 3,000円~130,000円
バスケットボール(バスケットボール) 3,000円~108,000円
水泳(競泳) 5,800円~108,000円
バレーボール(バレーボール) 4,000円~81,500円
体操(体操競技) 4,000円~72,000円
サッカー 2,500円~67,500円
柔道 4,000円~54,000円

高いの?安いの?過去や前回との比較は

さて、柔道は過去2大会と比べて「2~3倍に値上がり」(日経新聞)とも言われている。日本での人気やメダル可能性も考慮した設定のようだ。

前回の東京大会では、開会式は500円~8000円、競技は最低料金は300円となっていた。現在の価格で換算する場合は、10倍にすれば妥当な金額になるので、その価格と比較すると高めな感じだ。

根拠は?

高いのか、低いのかは個人的な経済状況や価値観から見方は変わるだろう。価格設定を高くすることは、費用を賄うためにも、収支の視点から必要だろう。お金持ちからは高い設定で購入してもらうというのもよいかもしれない。皆が見に行け・楽しめる価格かという点では疑問もある。国民への機会提供という意味で、お金がない人が「排除」され、一部「貴族」のための五輪にしか見えなくならないように、その辺の配慮がどこにあったのだろうか。

価格設定について筆者の意見は何とも言えない。しかし、算定の根拠をしめされていないことには疑問を感じる。

特権という理解はあるのか?

それとスポンサー企業、国会議員らに配布される件数・枚数もオープンにしてもらいたい。以前、イベントチケットを友達からもらったり、頼まれたり、あるサークル内にいたりするとそういうことが稀にあった。しかし、これっていいのかな?無自覚な人をみてひいている自分がいた。なぜかというと、特権の利用だからだ。

正確な数字は書かないが、建設費、行政職員の業務時間(人件費)など含めると、結構な税金が投入されている。他方、ボランティアには無償で働いてもらうという方法がとられている。「中世」に逆戻りしたんじゃないかという既視感を示しつつある東京五輪。

日本の衰退の象徴になりかねないこのイベント、まずはオープンにするところからはじめてもらいたい。


西村健
西村健

人材育成コンサルタント、オムニメディア代表、NPO法人日本公共利益研究所(JIPII:ジピー)代表、一般社団法人日本経営協会講師、未来学者。
慶應義塾大学院修了後、アクセンチュア入社。 その後、日本能率協会コンサルティングで経営・業務改革、人材育成、能力開発を支援してきた。独立後、人事評価制度構築・運用、キャリアカウンセリングなどのコンサルタントとして活動中。最近はプレゼンテーション向上、モチベーション施策などに注力。

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