「権威主義社会ニッポン!」【第1回】ボクシング連盟(その1)


【出典】日本ボクシング連盟HP

日本ボクシング連盟の山根明会長へ全国333人の有志が
・日本スポーツ振興センター(JSC)から交付された助成金の流用
・判定への介入
・過剰な会長への饗応(スイートルーム宿泊、豪華な椅子、麻雀部屋、好みの食事などなど)
など12項目の不正を列挙した告発状をスポーツ庁や日本オリンピック委員会(JOC)に提出。

会長への「おもてなしリスト」はまだしも、「奈良判定」というスポーツの根幹であるレフェリングまで疑惑が出てくるなど、ボクシング連盟の不祥事が大騒ぎ。

どうしようもない組織?

・「権力を握ってやりたい放題をしたい」という権力者
・その周りにいる甘い汁を吸うイエスマン
・一定期間権力を握る、私物化
・異を唱えた人がパージされる
・それを見て皆がイエスマンとなる
・民主的な意思決定ができなくなる

と組織はこうした悪循環に陥り、末期症状に陥る。

組織の医者として筆者はそう考えている。

まさに中世。こういった組織があるものなのだなとびっくりしつつ、さもありなんとも思った。理不尽な権威主義は、日本の体育会系だけではない、この社会に根を張っているのだ。

戦後だって、スパルタ、ノルマ主義、日勤教育、ブラック企業などなど人間の尊厳は蹂躙されてきた。

皆様の近くだって・・・・

「先輩が神様」
「上のいうことは聞け」
「社長に歯向かうな」
「上の人のことは絶対服従」
「疑問を持つな、理不尽を受け入れろ」

こういう言葉を体育会系組織にいた人やブラック企業に勤務する人からよく聞いた。進学校の生ぬるい体育会にいた筆者はこうした経験をしたことがあまりないが、組織の在り方に疑問を持たせない「権威主義的」組織やその要素は日本のいたるところに存在する。

戦前の軍隊みたいな精神主義がいまだ、この21世紀でも続いているのを聞くと悲しくなるし、他方、だから日本社会は停滞するのだと思う。

平等、尊重、友愛、博愛の民主主義の社会には考えられない価値観・・・戦後の民主主義教育はなんだったのだろうか!(笑)。

声を上げる勇気

こうした不祥事に声を上げた333人には敬意を表したい。
そしてそれを応援するカリスマもいる。

プロボクサーの村田諒太さんもFacebookで

成松、大変な思いをしていると思います
選手のことを考えていたら、こんなことは絶対にあり得ない
彼の練習やキャリアに影響が出ないことを願うばかりです
そして、そろそろ潔く辞めましょう、悪しき古き人間達、もうそういう時代じゃありません
新しい世代に交代して、これ以上、自分達の顔に泥を塗り続けることは避けるべきですす

とコメント。

さらに、

夜と霧に出てくる、カポー(同じ収容者でありながら、見張り役など、特別な権利、立場を与えられた収容者)が時にナチス親衛隊より酷い仕打ちをしてきたという話、そのカポーを裁くことが出来るかどうか

ともコメント。ユダヤ人の囚人の中で収容所警備の親衛隊の下部機関として一般のユダヤ人囚人の監督にあたった人たちにまで言及し、山根さんの取り巻きを言外に批判する。

結局、こういうことなのだろう。

ルールよりも周りの人の意見やその場の空気
正しさより権力・権威に従うこと
文句を言うことよりも我慢すること
疑問を持つことより考えないこと

組織の価値観がそこに転じた時点で、組織としてジエンド。
だからこそ、組織の成員の責務は民主的な運営を本気で求めないといけない。ルールとか定款とか大事にすることの意味、法治主義の意味を改めて感じる。

組織についてみてみよう

コラムみたいなエッセイを書いていても仕方ないので組織をちょっと覗いてみよう。HPから「平成28年度事業報告」を見てみると衝撃が待っていた!

以下になるが・・・

開催イベントを示したいだけなのだ!

ここには財務諸表もそこには存在しない、、、平成28年度会計報告資料が見れないのだ!

こんな組織に補助金を出す方も出す方だし、よく見れば組織が機能していないことがわかるはず。まともさを取り繕うこともできない組織。ガバナンスもリーダーシップもそこにはない。333人の勇気ある人たちの改革に期待したい。

しかし、動きがあった。

山根明終身会長(こんな名前を名乗り、自宅の名札に書ける心証がすごい!)も会談をする意欲があるそうだ。

権威主義的組織ではなかったことをしっかり説明できるか、墓穴をほるか。


西村健
西村健

人材育成コンサルタント、オムニメディア代表、NPO法人日本公共利益研究所(JIPII:ジピー)代表、一般社団法人日本経営協会講師、未来学者。
慶應義塾大学院修了後、アクセンチュア入社。 その後、日本能率協会コンサルティングで経営・業務改革、人材育成、能力開発を支援してきた。独立後、人事評価制度構築・運用、キャリアカウンセリングなどのコンサルタントとして活動中。最近はプレゼンテーション向上、モチベーション施策などに注力。

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