国会議員(家族含む)は仮想通貨保有状況を公開するべきだ


米国連邦議員の仮想通貨保有状況は報告義務化へ

米議会議員の財務開示状況によると、共和党のボブ・グッドラッテ下院司法委員長が仮想通貨の保有状況を初めて報告した。保有額はドル17,000ドル~80,000ドルで、ビットコイン、イーサリアム、ビットコインキャッシュなどを保有している。

今年6月に米国下院倫理委員会は、仮想通貨に関するガイドラインをまとめて仮想通貨の保有状況を議員に報告するように求めている。これは利益相反などを防ぐための措置で1000ドル以上の仮想通貨を保有する議員は議会への報告が必要となっている。不労所得に関しては本人以外にも配偶者や未成年の子どもに関しても報告義務がある。

グッドラッテ議員の財務開示は今年5月10日までにまとめられた資料に基づく報告であり、今年6月の下院倫理委員会の基準が発効する前の状況のものであることから、今後ますます連邦議員の仮想通貨保有状況について報告者数が増えるものと想定される。

日本でも国会議員は家族を含めた仮想通貨の保有状況を報告すべきだ

日本では野田総務大臣が今年1月下旬、金融庁に資金決済法違反の疑いで調査を受けていた仮想通貨業者の関係者を事務所に同席させて金融庁から事情聴衆を行っており、それを問題視した朝日新聞が金融庁に情報公開請求した内容が開示決定前に野田氏に漏れる事態が発生した。

筆者は個別の仮想通貨の事案はどうでも良いと思う。しかし、連邦議員と同様に利益相反を防止する観点から、日本の国会議員も家族を含めた仮想通貨の保有状況について申告を行うことを義務化するべきであろう。

上記のような問題は個別事案の問題とするのではなく、日本の議会は包括的な報告義務化に関する対応を行うべきだ。個人のウォレットに保管された仮想通貨状況を第三者が調査することは困難であるため、報告者の自己申告によるところが大きくなるが、報告を義務化しないよりも義務化したほうが余程マシであることは間違いない。

むしろ、国会議員が透明性が確保された形で仮想通貨を保有することは日本の仮想通貨業界にとって大きなプラスとなるため、ブロックチェーン技術を使った仮想通貨の未来に可能性を感じる国会議員の方々には財務情報開示に是非積極的に賛同してほしい。

先月のG20で「FATF基準の実施に関する我々の3月のコミットメントを再確認し、2018年10月に、この基準がどのように暗号資産に適用されるか明確にすることをFATFに求める」と確認された以上、国会議員も仮想通貨に自分自身がどのように向き合っているのかを明らかにしていくべきだろう。


渡瀬 裕哉
渡瀬 裕哉

パシフィック・アライアンス総研所長
早稲田大学大学院公共経営研究科修了。トランプ大統領当選を世論調査・現地調査などを通じて的中させ、日系・外資系ファンド30社以上にトランプ政権の動向に関するポリティカルアナリシスを提供する国際情勢アナリストとして活躍。ワシントンD.Cで実施される完全非公開・招待制の全米共和党保守派のミーティングである水曜会出席者であり、テキサス州ダラスで行われた数万人規模の保守派集会FREEPACへの日本人唯一の来賓者。著書『トランプの黒幕 共和党保守派の正体』(祥伝社)は、Amazonカテゴリー「アメリカ」1位を獲得。主なメディア出演実績・テレビ朝日「ワイド!スクランブル」、雑誌「プレジデント」「ダイヤモンド」など。

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