阿波おどり:徳島新聞の説明責任は???


【出典】フリー素材ぱくたそ

阿波おどり、主催者発表だから正確かどうかわかりませんが、参加者の数が108万人と15万人ほど減少した模様です。

総踊りを中止したことがその理由として言われています。総踊りを止める代わりに4カ所の有料会場に踊り手を分散させ、結果として、観客も分散しチケット売り上げを測る市の思惑が外れた形のようです。

こうした世間を騒がす混乱があったのにもかかわらず、阿波おどり実行委員会は「阿波おどり開催にあたってのお礼」として、以下のような文章をアップしています。

2018年の徳島市の阿波おどり(12日から15日)は、盛況のうちに無事終えることができました。踊り連、地元町内会、商店街、警察、消防の関係者をはじめ、ご協力、ご支援いただいたすべての方々と、お越しいただいた県内外の皆さまに心からお礼申し上げます。大変ありがとうございました。

【出典】阿波おどり実行委員会HP「阿波おどり開催にあたってのお礼」原文そのまま

だそうです。

なんじゃそれ、という感じです。

徳島新聞社の責任が「報道されない」

毎日新聞社は「改革のきっかけは市観光協会の巨額債務」などと主張」として、これまでの経緯を詳細を伝えています。

「新聞社が利益を獲得して損失を一切負担してこなかった」
「新聞社は「赤字に道義的責任がある」として市に3億円を寄付し、阿波踊りの振興に向けた基金が創設」

【出典】毎日新聞記事

ことなどを丁寧に解説しています。しかし、他のメディアはここまでの解説はしていないようです。

「説明責任を」事業者としては果たせている

当事者の徳島新聞社は「歓喜と興奮が冷めやらぬまま閉幕した」(8/16)そうです。

しかし、徳島市の阿波踊り 徳島新聞社の見解という記事(4/12)で見解を示しています。

そこで、

協会に対してもっと積極的に収支の開示を求めるなど、会計運営の正常化を促す機会を十分につくれてこなかった一定の責任が弊社にはあると感じています。

【参照】徳島市の阿波踊り 徳島新聞社の見解という記事(4/12)

同じ主催者でも協会と弊社の間には役割分担があり、阿波おどり事業特別会計という、8月の踊り本番に関する「財布」は協会が管理してきました。

【参照】徳島市の阿波踊り 徳島新聞社の見解という記事(4/12)

同時に弊社は、阿波踊りの事業体である一方、言論機関でもあります。巨額の累積赤字にメスを入れてこなかったことも反省点の一つです。

【参照】徳島市の阿波踊り 徳島新聞社の見解という記事(4/12)

などとしっかりとした説明をしてはいます。「事業者」としての責任を果たしてはいると言ってもよいかと思います。

焦点となっている「招待チケットの問題」についても丁寧に説明をしていますし、それはそれなりに誠実な態度だと評価してよいです。

しかし、あくまで「事業者」としてです。

メディアとしての責任は?

【出典】フリー素材、ぱくたそ

メディアとしての責任は何なのでしょうか?何年もわかっていなかったのでしょうか?報道できなかったのでしょうか?自社の事業だからこそ、報道の自由は厳しく問われるべきではなかったのではないでしょうか?

そもそもメディアが頼まれたからと言って、これほどの地域イベントを開催してお金儲けをする必要があるのでしょうか?

地方自治体を監視する社会的責任はないのでしょうか。一緒に事業を行う団体でメディアの責任は果たせるのでしょうか。ジャーナリズムはそこにはないと感じてしまいます。

日本のメディア、特に地方新聞の問題をまざまざと感じざるを得ません。


明智秀敬

研究者
専門は会計、財政再建など。予算の配分と政治、既得権益の影響を調べている。

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