EBPMというお笑い~エビデンスはそもそもなかったの?


EBPM:エビデンス・ベースト・ポリシー・メイキング。証拠に基づく政策立案

という言葉が、業界では「マジックワード」となっています。エビデンス、エビデンス・・・・・これまでの政策には「エビデンスにもとづいていなかったのでしょう?」とツッコミを入れたくなります。

EBPM

EBPMとは何かを確認しておきましょう。西村さんの文章を参考にします。

【言葉】「エビデンスに基づいた政策形成」(Evidence-Based Policy-Making、以下EBPM)
【定義】政策立案や政策改定の際、「科学的なデータ分析によるエビデンス(証拠)」に基づいた議論を行うべきだ、という考え方
【意味合い】
・源流はEBM(Evidence-Based Medicine)。1991年に提唱され、新しいパラダイムとして医療の世界をということ。医師が診察を行う際、最善のエビデンスをもとに行おうという医療の在り方。それを応用しようというもの。
・エビデンスとは治療の有効性・効果についての信頼性の高い研究結果のこと。最も厳密なものはラ対象者を無作為に分けて2集団に分けて行うランダム化実験
・エビデンスにはレベルがあり、最もレベルが低いのは専門家の意見や経験
・EBPMはプログラム評価の「進化形」

【出典】「EBPM?エビデンスにもとづく政策形成の「陥穽」」

国はEBPMを推進しています。しかし、今の政府の状況を見ますとエビデンスうんうんの以前なのな気がします。

エビデンスはどこにあるの?

今年大きな問題がありました。

1.公文書改ざん
「森友学園」への国有地売却を巡って財務省の決裁文書が改ざんされていました。政策以前に、前提である文書自体が改ざんされていたということは、エビデンスも改ざんできるということです。

2.しょうがい者雇用率の水増し
しょうがいしゃ雇用率、法定雇用率は満たしていたとしても、実際の雇用率を水増ししていました。しかも42年間です。

両者とも同列には存じ上げられませんが、文章や数字にあらわされたものには「エビデンス」はなかったということです。エビデンスはいかようにも変えられることが可能だということは政府はしめしてしまいました。

政策立案よりも政策の改善

エビデンスよりも前に、政府としてルールを守っていることが前提になります。また、エビデンスがかりにあったと仮定しましょう。しかし、エビデンスがあっても政策形成をする前に、まずは政策を見直さないといけないと思います。これだけの財政赤字、規制の多さなどの問題が存在します。なので、エビデンスが自分たちがやりたい政策を実施するための「手段」になってしまうことは許されません。

うがった見方をすれば、シンクタンク業界の新しいビジネスのようにも思えます。エビデンスの前に、政府は危機感をもって政策推進にあたってもらいたいものです。


明智秀敬

研究者
専門は会計、財政再建など。予算の配分と政治、既得権益の影響を調べている。

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