自民党総裁選:揚げ足取りはやめましょ~薩長ネタ編


自民党総裁選に対して、2名が立候補を表明した。石破茂さんと安倍晋三さんの2人による一騎打ちになる見込みである。

実際のところ、首相選出選挙とでもいうのか。政治的にも大事なイベントである。

そんな中、安倍首相が口にした言葉がかなり批判を受けている。

新時代の薩長同盟か?

安倍さんは鹿児島県垂水市で桜島を背景に、会見を行い、9月の自民党総裁選で連続3選を目指すこと、立候補を表明したのだのだが、その発表の中で

「ちょうど今晩のNHK大河ドラマ『西郷どん』(のテーマ)は『薩長同盟』だ。しっかり薩長で力を合わせ、新たな時代を切り開いていきたい」

【出典】産経新聞、2018年8月26日記事

この発言が多方面からかなりの批判を浴びている。

新時代の薩長同盟か?

【出典】ぱくたそ

立憲民主党の枝野さんは

わが党には鹿児島選出もいる一方で、福島の人間も、奥羽越列藩同盟の地域だった人間もいる。わが国を分断するような、国全体のリーダーとしては間違った言い方だ」

と批判した。薩長と対抗した地域の人々のことを考えていないということらしい。

ネットでも
長州は権力を握り続けるのですね
薩長でまた維新ですか?
薩長以外の国は捨てるのですね
薩長の明治維新、長州が暴走して多大な被害を・・・
薩摩は西南戦争で裏切られたんだけど・・・
いわゆる田布施利権ってやつ?

などなどの批判的な言説で溢れた。
主な特徴は、薩長についての感情的批判、薩長にしいたげられたと思っている側からの批判、テレビの大河ドラマと合わせた巧みなパフォーマンスへの批判などなど。

そんなに批判すること?

たしかに、少しは配慮や思慮が欠けたかもしれない。

しかし、よく考えてもらいたい。安倍首相の鹿児島県の人々へのリップサービスでしかない。その時に、何か自分に関係しそうなことをいっただけである。人間として、何か他人と自分に関係そうなことを言って、親しみを持ってもらうよう工夫することは普通やりますよね?
まさか本気で、「薩長で新たに時代をつくる」ということを言ったわけがないだろう。

仮に織田信長さん(尾張)の末裔が岡崎(三河)にて「仲良くして天下布武を目指したい」というようなことを言ったら、批判をされるだろうか?

これは皮肉だが、実際、尾張と三河の人々は仲が悪いので本気にされないだろう(笑)、こうした発言になんの意味がないことがわかる。

もし安倍さんが長州の木戸さんなどの明治の英雄たち(とされているひとたち)の系列・血筋を引く人であって、こういうことを言うのなら少しは問題になるかもしれない。しかし、安倍首相自体、東京出身であり、選挙区が長州にあるというだけである。

揚げ足をとらない議論を

9月に、自民党総裁選が行われる。私もこの連載でウオッチしていきます。政権運営の評価、政策検証、未来の方向性の議論、組織のマネジメント・ガバナンスの議論、大事にする理念、考え方などを話し合ってもらいたいと思います。

もう自民党員ではありませんが、新しい時代の首相になる方を選ぶわけですから注目したいと思う。


西村健
西村健

人材育成コンサルタント、NPO法人日本公共利益研究所(JIPII:ジピー)代表、事業創造大学院大学 国際公共政策研究所 研究員・ディレクター、一般社団法人日本経営協会講師、未来学者。
慶應義塾大学院修了後、アクセンチュア入社。 その後、日本能率協会コンサルティングで経営・業務改革、人材育成、能力開発を支援してきた。独立後、人事評価制度構築・運用、キャリアカウンセリングなどのコンサルタントとして活動中。最近はプレゼンテーション向上、モチベーション施策などに注力。

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