【第7回・ポリテック最前線】本格派ポリテックスタートアップ「PoliPoli」に現職議員として期待すること


画像はPoliPoliホームページより

新宿区議会議員の伊藤陽平です。ポリテックの未来を考える上で、スタートアップの存在は不可です。今の市場においyr、唯一の本格派ポリテックスタートアップは「PoliPoli」です。政治ビジネスは税金がなければ成り立たないことが前提でしたが、トークンエコノミーを用いる芸術的なマネタイズ方法が考案されました。
私自身が現職の議員として、日常的にPoliPoliを利用しています。その中で、ポリテックが向かう未来が見えてきました。統一地方選挙を想定し、どのようなサービスが必要かを議員目線で考えました。

過去の記事もご参考に。

【第4回・ポリテック最前線】PoliPoliとは税金ビジネスからスタートアップへのイノベーション | The Urban Folks

選挙がアップデートされる

ポリテックはテクノロジーが選挙のあり方を変える可能性があります。政治家側は、政治活動を含む選挙に大きなリソースを割いているため、効率化することが必要です。選挙こそが民主主義の根幹であり、有権者とコミュニケーションをとること自体は大切です。しかし、従来から行われている挨拶回り等で対応できる層は高齢者等に偏ってしまい、若者にリーチすることは街頭活動以外では難しいという課題があります。
若年層の場合は、特定の政治家との結びつきが弱い可能性が高いです。私も実際に、インターネット経由で繋がった一度もお会いしたことがない方から、投票をいただいたことがあります。政策次第ではありますが、名前を覚えてもらうことで選択肢に入る可能性も高いと考えています。

そこで、若者と相性の良いインターネット上で候補者と有権者のマッチングができれば、選挙では有利になります。今のところPoliPoliには有権者とのマッチング機能は存在しないため、統一地方選で政治家に積極的にアプリが活用される可能性は低いです。FacebookやTwitter等の一般的なSNSが、ネット選挙に用いられることになるでしょう。
仮に今後PoliPoliが普及し、オンライン上で選挙区の有権者とのマッチングが行われる場合、ネットのみで当選できる議員が誕生する可能性はありますが、それは地方議会且つごく一部の議員に限定されるでしょう。
例えば、議会の過半数を獲得したり、国政選挙や首長選挙に影響を与えるまでになるのは、今のところ現実的ではなく、根本的に政治が変わるまでの道のりは遠いです。

有権者が利用するために必要なこと

有権者がPoliPoliを積極的に利用するための、トークンの発行によるインセンティブ設計は秀逸です。しかし、それ以前にコミュニティが活性化している必要があります。具体的には、政治の情報が集まり、議論が盛り上がるプラットフォームが必要です。それにはまず、PoliPoliのコメントやタイムラインが荒れないことは大切です。
また、PoliPoli経由でSNSの同時投稿が可能となり、情報発信が容易になりました。しかし、情報発信が容易になるだけでは、有権者には響きません。そもそも時間を割いてまでおもしろいと感じるようなコンテンツを作成することが必要になります。おもしろく、わかりやすい情報発信は、政治家個人の能力に依存します。政治家によるコンテンツの魅力が向上するよう、情報発信をサポートをする機能が必要となります。

ポリテック宣言をした政治家が利用していない現実

小泉進次郎衆議院議員が、ニコニコ超会議でポリテックを推進すると発言されたことが注目を集めました。テクノロジーについて言及されたこと自体は評価できますが、唯一のポリテックアプリであるPoliPoliの登録はまだ行われていません。また、自民党では石破茂元幹事長がPoliPoliも登壇するイベントに登壇し、すでにアカウントも登録が完了しています。しかし、投稿は一度もなくまだ活用されている状況ではありません。

国会議員には広報担当秘書がついていることもありますが、PoliPoliはiOSアプリのみでし利用できず、複数の秘書が一つのアカウントを管理することができないこともあり、まだ本格的な参入は難しい状況にあります。鶏が先か卵が先かという議論もありますが、国会議員に使っていただくことは、ユーザーを集めるためにも不可欠です。ぜひ、国会議員でも無理なく情報発信ができるよう、現場の意見を取り入れながら機能の改修を行うことを要望したいです。

一方で、地方議員の中には、積極的にPoliPoliを利用されている方も一定数いらっしゃいます。若者等のリアルでのリーチが難しい有権者と1人でも多くつながることができれば、大きな価値があります。まだポリテックは始まったばかりですが、将来的にサービスが成長し続けることを前提に、PoliPoliを利用を継続していきます。そして、PoliPoliのコミュニティが活性化することや、新しいサービスが参入することで見えてくる新たなポリテックのかたちにも期待しています。


伊藤陽平
伊藤陽平

新宿区議会議員
30歳最年少の新宿区議会議員。立教大学経済学部経済政策学科卒業。大学在学中にIT企業を設立し、代表取締役に就任。Webアプリケーションの開発やWebマーケティング事業を展開。 ブロガー議員として365日年中無休でブログを更新し、多数のメディアへ寄稿する。また、日本初のAI議員として機械学習を議会活動で活用している。

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