10月10日渡瀬裕哉著『日本人が知らないトランプ再選のシナリオー奇妙な権力基盤を読み解く』発売告知


2018年10月10日に拙著日本人が知らないランプ再選のシナリオ―奇妙な権力基盤を読み解く』(産学社)が出版される運びとなった。トランプ当選から現在までの権力闘争と政策成果をデータとファクトで整理した上で、中間選挙前後の予測をまとめた内容となっている。書籍の校了自体は8月でほぼ完了しており、9月中旬現在までは国際情勢は本書で書いた通りの展開を見せている。

著者として、この本のウリに少し触れておくと、「誰もが当たり前の前提として処理していること」をもう一度見直すことを大切にした本である。トランプとは何者か、トランプ支持者とは、トランプは最初の一年でやったことは何か、そして貿易戦争の前提となるロジックとは・・・、など、誰もが何らかの形で答えを出していることに改めて向き合うことで、現在、そして未来への道筋が見えてくるのだ。

現代の時間が流れる速度は日々増しており、ドックイヤーどころか、マウスイヤーとして呼ばれるようになっている。次々と起きる出来事、そして情報のシャワーを浴びながら、辻褄合わせの処理を繰り返すばかりだ。したがって、物事の本質を掴むことが難しくなり、現在への理解と将来の予測に問題をきたすようになる。そのため、物事をバラバラの現象として捉えるのではなく、全体の構造の中で把握していくことが重要となってくる。

「トランプは予測不能」という評価は、この構造的に物事を把握する、という基本的な作業が蔑ろにされている証左だろう。個別の事象だけを追いかけていれば何でも予測不能なものになる。

筆者の場合は、金融機関の方々向けのレクが多いことから、第一線で切ったはったをしている人々に様々な角度から質問がぶつけられることになる。それらに対処する際に最も必要になる能力は「構造を理解する」力であり、大枠の中で物事を整理するくせをつけることだ。仮に事前の仮説に反証する事態が実際に発生した場合(ほとんどないが・・・)、それはパズルを合理的な形に組み直す条件が新たに生じたものとして構造認識を高度化していく作業として取り組むべきだろう。

本書のタイトルはトランプ再選のシナリオとなっているが、実際に再選できるシナリオは限られていると言えるだろう。そして、そのシナリオは現代の米国政治の構造を理解することがなければ決して見えてくることはない。本書では中間選挙の結果によって生じるシナリオを4パターンにまとめている。中間選挙の結果次第で現代の米国政治におけるパワーバランスの構造が変容し、その変容は確実に2020年大統領選挙に影響を与えることになるだろう。

今、米国政治、そしてトランプ政権で何が起きているのか、その全体像を捉えた上で理解したい人は是非手に取ってみてほしい。

 

 

 


渡瀬 裕哉
渡瀬 裕哉

パシフィック・アライアンス総研所長
早稲田大学大学院公共経営研究科修了。トランプ大統領当選を世論調査・現地調査などを通じて的中させ、日系・外資系ファンド30社以上にトランプ政権の動向に関するポリティカルアナリシスを提供する国際情勢アナリストとして活躍。ワシントンD.Cで実施される完全非公開・招待制の全米共和党保守派のミーティングである水曜会出席者であり、テキサス州ダラスで行われた数万人規模の保守派集会FREEPACへの日本人唯一の来賓者。著書『トランプの黒幕 共和党保守派の正体』(祥伝社)は、Amazonカテゴリー「アメリカ」1位を獲得。主なメディア出演実績・テレビ朝日「ワイド!スクランブル」、雑誌「プレジデント」「ダイヤモンド」など。

渡瀬 裕哉の記事一覧