少年サッカーに大切なこと!!~指導者とは~



【出典】U10大会 筆者撮影

30才台前半から約20年間、地元の小学生サッカークラブの指導に関わったことがある。きっかけはそれまで携わっていた小学校の先生が転勤したため、その後を引き継いだのである。私はそれ以前に子供達のサッカーに関わりたい思いが漠然としてあったので、その要請にすんなり承諾したことを覚えている。

現場で子供たちとサッカーをするにあたって、事前に様々な指導者講習会に参加したり、又、知り合いのサッカークラブの監督に指導方法を聞いたりして何を基本にしていくのかを考えた。そして、その結論は、先ずは「子供たちがサッカーを好きになること。」その上で日本代表になるような選手を輩出できればと言う指導者なら誰でも思うことに目標を置いた。

そこで、先ずサッカーを好きになるためには、ボールが自由自在に扱える技術が必要であり、ゴールデンエイジの小学生には、ボールコントロールを身に着けることが最も重要であること。そのための練習メニュー等は近隣の強豪チームから教えてもらったり、コーチと話し合ったり、技術指導の本を読みあさったりしながら私なりに勉強したのを覚えている。様々な練習法を試行錯誤していったが、途中からクーバーコーチング法が一番効果的だと知り、当時としては高額でボリュームのあるビデオを購入し、その映像を食い入るように何度も見て自分のチームに合ったメニューを取り入れた。


【出典】筆者撮影

ボールタッチやフェイントの動作、ボールリフティングや斬新なパスワークの練習を繰り返したり、又、足元の技術だけでなく状況判断力を自然に身に付けさせたくてワンタッチ・ツータッチ・スリータッチのスモールゲームを何度も繰り返した。でも、小規模なチームの宿命で試合にはなかなか勝てない日が続き悔しい思いを何度もしたことを覚えている。子供達の上達速度は、早い子もいれば遅い子もいる。


【出典】開会式 筆者撮影 

問題は、なかなか上達しない子にどうやって早くスキルを身に着けさせるかであるが、指導者としてはチーム力を上げるために、どうしても上達速度の遅い子にヤキモキして「どうしてこんなこと出来ないんだ?」みたいな怒るような教え方になることがあり、私も思わず声を荒げてしまった場面が何度かあったように記憶している。

しかし、今思えば、小学生に対する指導としては、最もやってはいけないことをやってしまったのである。そして、その結果、サッカーが嫌いになってしまい、クラブを辞めてしまう子供が何人かいたことは否定できない。

指導者の資質には多くのことが要求されるが、中でも一番必要なことは、どこまで我慢できるかだと思う。前述したようなすぐに上手になる子には、手取り足取りの指導は必要ない。それどころか指導のし過ぎで伸びる芽を摘んでしまいかねないケースが多くあり、日本のサッカー界に今でも真のストライカーが育たない理由は指導者が教えすぎてしまうからだとも言われてきた。

その反面、上達速度が遅い子に付き添い、一歩一歩着実に上達させるスキルを備えた者こそ指導者の名に値し、その子がサッカーを好きになり目覚ましく成長した姿を見ることこそが、指導者の喜びであり指導者冥利に尽きるのである。

特に、小学生への指導で留意すべきことは、一にも二にもサッカーを好きになることに主眼を置いたコーチングこそが大切で、そのための技術指導に徹し精神論を説くことはタブー視してきた。


【出典】練習マッチ 筆者撮影

又、ゲームに勝つことが目的ではなく、それはサッカーが好きになるための手段であることを指導者は、肝に銘じておく必要があると思う。

現場から離れてもう10年以上経ったが、その頃、子供達と一緒に経験したサッカーは記憶に深く、とても充実した楽しい思い出であり、私にとっては反省とともに今では心の大きな財産となっている。


有野一成
有野一成

南アルプス市議会議員
南アルプス市議会議員。南アルプス市役所、南アルプス市雇用創造協議会を経て現職。 認定NPO法人フードバンク山梨理事(元)、南アルプス市サッカー協会長、南アルプスエコ旅企画会員などを歴任する。

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