まんまとハメられてしまった! 映画『華氏119』


2018年11月2日に公開される、マイケル・ムーア監督ドキュメンタリー映画『華氏119』の試写を観ました。

ニューヨークの9.11テロを取り上げ、カンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞した前作『華氏911』に続く今作は、ドナルド・トランプが米大統領選の勝利宣言した日、2016年11月9日に由来する。


【試写会でいただいたパンフレット】

「この映画が公開されれば、トランプ王国は必ず崩壊する」と監督本人が言うだけあって、誰もが本気にしなかったトランプ大統領誕生に始まる、望まない未来が現実になっていくたび、わたしは「恐怖」を感じた。3回は鳥肌が立った。

様々な角度から物凄いスピードで明かされていく事実の連続に驚かされ続ける。

実際のニュース映像やインタビューから構成される

・トランプ当選のからくり
・選挙で繰り返される不正の証明
・ミシガン州フリントの汚染水問題の隠蔽
・教師の低賃金を抗議するためのストライキ
・高校での乱射事件から始まる銃規制の訴え
・ヒトラーとトランプの共通点

など、情報量も物凄いが、1つひとつがわかりやすく、スッと頭に入ってくる。いままでなんとなく知ったつもりで見てきたニュースが「こんなことだったのか」と理解が深まりつつ、おさらいされていく。

現在のトランプ政権についてだけでなく、この状況をつくり出した原因としてヒラリー・クリントンやオバマ元大統領の知られざる一面も暴かれていく。

本当の悪は一体どこから始まったのか。


【試写会でいただいたパンフレットより】

おのずと悪者が見えてきて、映画が終る頃には「このままでは大変なことになる!今すぐ行動しなければ!」と監督の伝えたいメッセージがそのまま実感として湧いてきた。

まんまとハマっていました。

マイケル・ムーア監督の思惑通り。

試写会後、映画を振り返ってみると、どんどん疑問が湧いてきた。

・サンダースが全勝したのは事実?
・フリントはそもそもどうして極貧地域になったの?
・フリントだけが川から水を引く理由は?
・どうしてオバマはあんなパフォーマンスをしたの?
etc…

次々と展開していく情報量に圧倒されて考える暇もなかったが、わたしが観たのは「事実」の連続に過ぎなかった。角度や立場、または原因が違うとすれば、真相は全く違うはず。

例えば、昔。わたしがまだ保育園に通っていた頃。

弟が私の友達の絵を破いた。
友達は号泣し、弟は先生に叱られた。

絵を破いた「事実」を見れば、弟が悪いのは明らかだ。

でも真相は違う。

そのもっと前にもストーリーはある。

友達は、私の絵を見て「下手くそ!」と言ってぐちゃぐちゃに丸めた。それを見た弟が怒って、やり返しに友達の絵を破いた。わたしを守ってくれたのだ。

先生にすぐ伝えなかったことを後悔しているが、帰ってからキチンと説明すると、家では「よくやった」と弟の正義感は褒められた。

真相とはそういうこと。

結局、真相や正義は人それぞれ、なんじゃないか。

本作中、ヒトラーの独裁が報道の手によって「普通に思えていた」ことをアメリカの現状と重ね、いかに危険かを訴えていたが、まさにその手法、その逆こそが本作だと感じた。

最後に、
映画を見終わったら、密録された音声の状況を日本に当てはめて考えてみて欲しい。

日本の闇に、もう1度恐怖を感じるだろう。


政策 太郎
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