「想像の100倍おもしろい!『2030 SDGs』


日本政策学校 渡邉萌捺です。
今回のユースデモクラシーLab定例勉強会は、私も参加者としてゲームを体験させていただきました。

主催団体公式サイト☞ http://youth-democracy.org/

第22回となる今回のテーマは、「SDGs」

講師・公認ファシリテーターは、浅見ゆたかさん(浅見製作所 代表)。
実は、この2030SDGsカードゲーム、ファシリテーター養成講座を受講した方のみ運営可能とされています。いつでもどこでも開催できるものではないので、貴重な体験になりました。


【左:渡邉萌捺 右:浅見ゆたかさん】

SDGsとは

2015年9月に国連サミットで採択された、持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals)のこと。193の国連加盟国が2016-30年の15年間で達成することを目標に、「17のゴール」という大きな目標と、詳細な「169のターゲット」が行動計画として設定されています。

これを元に作られたゲームが、今回体験させていただいた「2030 SDGs」

ゲームのルール

*前後半で行う
*時間の経過とともにゲーム終了時を2030年とする
*この場を世界と考える
*人生のゴールを決める
・大いなる富
・悠々自適
・貧困撲滅
・人間賛歌の伝道師
・環境保護の闘士

今回わたしが引いたのは、人間賛歌の伝道師。

人との繋がりや達成感などを重視するカードで、目に見えない価値を表す「黄色の意志カード」を10枚集めることがゴールでした。

*配布されるカード
・お金 5枚
・時間 12枚
・プロジェクト 4枚


【ゲーム開始前に配布された実際のカード】

プロジェクトを実行するには、書かれている「お金」「時間」「世界の状況」をクリアしなければなりません。世界の状況とは、常に表示されている経済・環境・社会の状況で、プロジェクトが実行されると刻一刻と変化する「世界メーター」のこと。

例えば、交通インフラを整備するプロジェクトを実行すると、経済は発展して+1、お金と新たなプロジェクトカードがもらえますが、森林伐採により環境は-1など。カードに指定された世界の状況により、プロジェクトを実行できないこともあるので常にチェックが必要です。

ゲームを攻略しようとするとリアリティがなくなっていくので、「これ自分だったらやるかな…?」と、すべて現実に置き換えることが大切だそう。設定された人生のゴールに向かって生きていると考え、決断していきます。

プレイヤー間の交渉は相手との合意があればどんなものでも可能。自分のターンなどはなく、すべてが同時進行です。世界のどこで誰がどんなプロジェクトを持っていて、どんな価値観で何を求めているかは、把握しきれません。積極的に交渉していくことが、このゲームのカギだと感じました。

前半戦

とにかく人生のゴール(人間賛歌の伝道師)を達成するために行動しました。

ある程度カードが揃った状態でスタートするので、持っているプロジェクト中から、黄色の意志がもらえて、実行可能なものをどんどん達成していきました。悠々自適(時間を集める)がゴールの方と「時間は私が負担するので、お金を半分ずつ出して実行しませんか?達成して、もらったお金は半分にして、時間はあげるので意志を下さい」など、交渉もしつつ、ゲームを進めていきました。

人間賛歌の伝道師というゴールは、なりきろうと思わなくても自分の価値観と近かったので行動しやすく、黄色の意志がもらえるプロジェクトは社会貢献できるものばかりで、決断にも困りませんでした。

問題は、時間やお金と違って、意志が貰えるのは1プロジェクトにつき1枚ということ。

意志カードは手持ちゼロからのスタートなので、とにかくプロジェクトを数こなすことが必須でした。

しかし、黄色の意志がもらえるプロジェクトは達成しても得られるものが少ない。達成しても意志以外なにも貰えない、なんてこともよくありました。これが後々の交渉にも響いていきます。交渉材料がないので、ただ社会を良くするという善意に賛同してくれる方を探して実行していくしかありませんでした。

この間、わたしは世界メーターをほとんど気にしていませんでした。

そんな前半戦が終了し、中間発表。

経済:●●●●● ●●●●● ●●●●● ●●●
GDP各指標絶好調。貨幣流通の速度が早く、好循環。バブル。

環境:●
かなり危険な状況、CO2の排出量が年々増加。気候変動や生態系に深刻な影響が出る。

社会:●●●●● ●●
要努力。貧富の格差が改善の傾向にある。一部で言論の自由なく苦しむ人あり。

後半戦

お金も時間もほとんど持っていなかった私は、投資としてお金を貰ったり、経験を共有してもらう感覚で意志カードを無償で貰ったり、実行できそうなプロジェクトを譲って貰ったりと、周りに助けてもらうばかりでした。

意志(繋がりや達成感)のことだけ考え、お金はいらないとすら思っていましたが、プロジェクトを実行し続けるには、やっぱり時間もお金もある程度必要だという、自分の未来かのような現実にぶち当たりました。

世界メーターを気にするようにもなり、わたしがプロジェクトを実行すると、社会保障が手厚くなる分、経済を圧迫していることに気づくようになりました。

金の亡者となっていた仁木さん(YDPA代表)とは完全に敵対関係でした(笑)

人生のゴールを達成すると、「なにしようかな~」と急に目標を失う時間が少しありました。

その後、余裕が生まれたことで人の活動に広く興味を持つようになり、困っている人を探したり、達成できていない人に協力したいと思うようになりました。

結局、手持ちがほぼなかったので特に大きな変化なく後半が終了。

最終結果発表。

経済:●●●●● ●●●●● ●●●●● ●●
前半とほぼ変わらず。

環境:●●●●● ●
深刻。気候変動や生物への影響回避はさらなる努力が必要。

社会:●●●●● ●●●●● ●●●●
達成。貧富の格差が劇的に改善、すべての国が取り残されず、調和がとれている。


【ゲーム後、達成したプロジェクトカードなど】

振り返り

ゲーム終了後、対話の時間があり、参加者の皆さんと感想を共有しました。

私は完全に自分のことだけを考えた前半戦を過ごしましたが、初めから世界メーターを気にして、「経済が伸びていたから、いまお金使っちゃおうと思って」「自分のことは二の次で」という方が意外と多くて反省しました。

また、「ゴールするまでは聞こえていなかった呼びかけに気付くことができた」「後半から社会貢献を意識するようになった」など、中間発表やゴール達成をキッカケに考えが変わったという方がたくさんいました。

ファシリテーター浅見さんによる振り返りでも、まさにこの変化について、さらに深掘ったお話をしていただきました。

“アンパンマンは自分の顔を、あげるじゃないですか。
それを気持ち良く受け取れるのはどうしてでしょう?顔が半分しかなかったらどう思いますか?
スッと受け取れるのは、アンパンマン自身が個を満たしているから。
アンパンマンの顔はすぐにジャムおじさんが作ってくれるから、分け与えることができて、受け取ることができる。
つまり、「満たされていない人から分け与えられても受け取りづらい」ということもあるんです。
満たされている人からもらうのと、足りていない人からもらうのでは、もらう側の気持ちも全然違う。
「個を満たすことが起点」になると思っています。”

「自分を満たすことで、初めて人に分け与えられる」という言葉が、私は振り返りの中で最も刺さりました。

感想

ゲーム後の対話が止まらない!!!

このゲームすごい!!!

と、本当に想像していた100倍「おもしろい!」と感動しました。

常に現実に置き換えて行動を選択することで、後半になるに連れて自然と、自分でも想像がつく未来に近づいてきます。今の価値観で行動し続けると訪れる未来が見えてきて、急にハッとさせられました。私は、ゲーム終了時を自分の死と考えたとき、「余ったお金がもったいないな」「先に投資するべきだったな」と感じたので、攻めたお金の使い方をしていきたいとも思いました。

ゲーム後の対話で、

・人生のゴールを達成する前から広く興味を持つべきだった
・違う人と実行した方がお互いにハッピーだったプロジェクトが見つかった
・時間はたくさん持っていたようでどんどんなくなり、取り戻す方法もほぼない
・環境を取り戻すのには物凄く時間がかかる
・社会を良くするには自分に余裕がないと難しい

など、現実的な感想もたくさん出ましたが、ファシリテーターによる振り返りがあってこそ、明確に現実世界に落とし込めるものになっていきます。

今回浅見さんは、実際にいま起きている問題や明日から自分にできることにSDGsを関連づけて振り返りをしてくれたので、初めにSDGsの説明を聞いた時、そこまで自分に関係のあると思えなかったものが、自然と「ジブンゴト化」されていきました。

テレビでもSDGsの文字を見かけることが多くなった今、関係ないまま過ごしていけますか?
一度参加するだけで、劇的に理解度は深まります。

自分には関係ないと感じている人にこそ、オススメしたいと思います!

☟次回のユースデモクラシーLab定例勉強会のご予約はこちらから☟ https://yd-lab23.peatix.com/


政策 太郎
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