<東京大改革の今:第19回>real safe city–満員電車ゼロはどこ行った?!


JR山手線に乗ってみてその恐怖におののいた。平日朝の8時台のことである。新宿駅をはじめ、各駅で降車すらできない人が溢れ、ホームにも乗り込みたい人が溢れる事態に遭遇した。

ただでさえ混雑しているのに、カバンがドアにはさまれ、電車が急停車し、さらには遅れる・・・まさに悪循環。

・出ようとする人同士のおしくらまんじゅう
・そもそも電車に乗れない
・急停車で雪崩のように倒れる人たち
・「すみません」を言っても降車できない
・座っている人にまで圧力がかかる
・呼吸困難になる人

こういった場面に遭遇し、あいにく腰をいためた。比較的元気な私でさえそうなのに。これが数か月続いたら慣れたとしても体を壊すのは確実だ。

忍耐するだけでいいの?

幸い、30分早めに会社に行ったら少しは楽になった。しかし、新宿駅8:00-品川8:30は恐ろしい場所であり、危険度は「半端ない」事は変わらない。

行政は何もしないのはなぜなのか。あんな危険な場所を許し、放置し、規制しないのか。なぜなのか。

俺だけではなく、誰もがそう感じるだろう。感じても「仕方ない」と諦めるのが普通。日本社会の「常識」なのだろうか。

そもそも、ここは日本で危険な場所「No1」だと思う。大きな地震が起きたら、圧死すること必至だ。そのあたりの健康被害くらいは測定してはどうか?と思うのだ(誰もしないなら日本公共利益研究所でクラウドファンディングでも募って測定でもしようか)。

鉄道会社の立場もわかる。乗車密度を高めて、乗客スペースを圧縮し、1台あたりに限りなく多数の乗客をすることで効率的になるし、経営面でもプラスになる。しかし、非人道的な状況を許しているのも確かだとも思う。
山手線の自動運転の実証実験をするよりも先にすることがあるはずだ、と思うのだ。

体への影響はデカい

普通に考えても、以下のような人体への影響がある。

 
 ・吐き気
 ・腰や肩、足、腕の圧迫
 ・酸素不足
 ・ストレス

ストレス増加による生活習慣病リスクが高まることも多くの研究で指摘されている。さらに、密室空間なので、菌が繁殖・広がりしやすいそうだ。

・混雑度合いが大きくなると、交感神経活動(アミラーゼ活性)が高まるほか、潜在的ストレス対応力(17-KS-S/CRE)が低下する可能性
・ある程度の混雑度合いを超えると、交感神経活動を示すアミラーゼ活性が急速に高まる可能性がある

【出典】国土交通政策研究 第 55 号「交通の健康学的影響に関する研究Ⅰ 」

ということまで、それなりの機関から言われている。エビデンスがあるわけだ!

都民や通勤者の安全や健康を守る覚悟はあるか?

東京都もそれなりに頑張ってはいる。時差BIZは広がっている。しかし、効果はあるかもしれないが、不十分ではあることは確か。強制力を持って規制することをしてもらっても、と思う。本気でゼロにする気があるのなら。

確かに、満員電車ゼロは難しい。第一に、経済の法則。第二に、都市開発が続いていること。これだけ六本木ヒルズはじめ、高層ビルが建設ラッシュで、人が集まることは避けられないからだ。

観光客増大、五輪・パラリンピックの時に対応できるのか?となると疑問がある。サスティナブルな公共空間づくりを交通各社と進めてもらいたい。

都民に希望を裏切られたと落胆するのは、まだ早い。


西村健
西村健

人材育成コンサルタント、NPO法人日本公共利益研究所(JIPII:ジピー)代表、事業創造大学院大学 国際公共政策研究所 研究員・ディレクター、一般社団法人日本経営協会講師、未来学者。
慶應義塾大学院修了後、アクセンチュア入社。 その後、日本能率協会コンサルティングで経営・業務改革、人材育成、能力開発を支援してきた。独立後、人事評価制度構築・運用、キャリアカウンセリングなどのコンサルタントとして活動中。最近はプレゼンテーション向上、モチベーション施策などに注力。

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