賢い有権者になる方法No3:政治には冷静に~成人式を過ぎた若者に!


「政治に関心を持ってほしい」
「政治を面白く」
「市民とともに政治をつくるという選択肢を示したかった」
「若者にわかりやすく政治を伝えたい」
「政治のイメージを変えたい」

という若者たちがいる。正義感や問題意識や少しの見栄も若くていいなあと思う一方。おいおいと思うことも多い。俺もおっさんになった(笑)。
問題意識の裏を分析すると

・自分には面白くない状況をそこに見る
・政治的な決定が古いと感じる
・自分の価値観からして違和感を感じる
・誰かにしわ寄せがくる状況を見ておかしいと思う
・意思決定過程や政治の制約に疑問を持つ
・法律が通ること、政治制度、選挙結果、経済政策、外交、政治思想といったものへの不満を持つ

ま、そんなところである。原因は。
少ししかない断片的な情報(しかもメディアの論調や自分の育った環境に左右される)と事実認識でそう思うのも経験が不足して若いから仕方がない。政治は法律で動くから、どのみち不満の温床になるもの。法律による制約を取り払うには法律改正をする必要があり、そのためには最大勢力にならない限り難しい。

社会を変える?という烏滸がましさ

だから、政治で社会を変えるというのはほぼ幻想である。あなたが政治家の2世で社会問題に疑問を持っているのなら、できる可能性も少しはあるだろう。

しかし、政治とは、基本「価値観の配分闘争」なのだ。政治学の授業で学んだ人が一般的には少ないようだから、言っておこう。
政治で社会を変えるとかいう人への違和感をこの年になると特に感じる。そもそも社会を変える=自分の理想とする価値観や考えを他人に押し付けてないか?という問題意識がないからだ。先日、有望な若者が参議院議員選挙に出馬を表明したが、失望しか感じえなかった。悪いけど。

社会を変えるのは、法治社会であれば、政治よりも裁判所である。法律の運用と解釈がこの民主主義社会を支えるから。社会を変えたいのなら、法律家になって裁判で戦ってほしいもの。

政治はゲームではない

なぜ、こんなオッサンめいたことを言うのかって???
小学生の時からそういうことを考えてきて挫折してきた僕と同じ道を歩んでほしくないと思うからだ。

・政治家の人たちを近くで見てきて
・エリートが集まる学校で政治力の前に挫折し
・政治家の秘書みたいなことをして、損得の世界に左右される場面に会い
・選挙に集まる人は何らかの利益や心理的欲求を満たす人ばかりで
・メディアは権力の番人たりえないことを知り、
・行政改革が政治の力でひっくり返させることを経験し
という長年の無駄な行為。

だからこそ、若者には幻想を持たないで冷静に対応してもらいたいと思うからだ。
政治はサッカーの試合じゃない。応援しているチームが勝った負けたでしか考えられない人は、戦国時代にでも戻ってもらいたい。

DSC_0100

特に、民主主義を守る!とか、打倒!とか、お前が国難!とかなどと(そう思っていても)言うべきではないと思うし、恥ずかしい。感情より論理、対立より妥協が民主主義にとっては大事なのだから、相手に敬意を払って、政策やその背景について深く議論してほしい。議論するに知識がなければ学んでほしい。

成人に必要なのは、大人社会への不満や損得勘定ではなく、冷静さなのだ。

「賢い有権者になる方法」連載シリーズ

第1回 「政治家さんに会ったらツッコミを」
第2回 「正しい政治家の見極め方①」


西村健
西村健

人材育成コンサルタント、NPO法人日本公共利益研究所(JIPII:ジピー)代表、事業創造大学院大学 国際公共政策研究所 研究員・ディレクター、一般社団法人日本経営協会講師、未来学者。
慶應義塾大学院修了後、アクセンチュア入社。 その後、日本能率協会コンサルティングで経営・業務改革、人材育成、能力開発を支援してきた。独立後、人事評価制度構築・運用、キャリアカウンセリングなどのコンサルタントとして活動中。最近はプレゼンテーション向上、モチベーション施策などに注力。

西村健の記事一覧