【若者たちが創る、“異彩のキャリア”】第4回:何にだってなれる/渡辺 玲央(非大卒人材vol.02)前編


若い世代が元気ないと言われますが本当にそうでしょうか?日本の未来は暗いから、若者の未来も暗い?
いえいえ、日本には異彩を放つキャリアを歩みだしている若い世代が生まれています。その中でも、キラリと光る人たち。こうした人たちのキャリアストーリーを独占してしまうのは、もったいない。私たちは、そうしたキラリと光る若い世代のストーリーを発信していきます。

 

聞き手:一般社団法人スクール・トゥ・ワーク 代表理事 古屋星斗
書き手:久保千尋

祖父の影響でジャズを好きになり、まだ見ぬ世界に興味を持った

古屋:
渡辺さんは現在東京で、リクルートライフスタイル社のデータアナリストとして働かれています。元々東京出身ではないとのことですが、いつ頃まで地元にいらしたのでしょうか。

渡辺:
出身は愛知県の扶桑です。僕は3人兄弟の長男で、20才くらいまで地元にいました。
5才くらいだったと記憶しているのですが、近くに住んでいた祖父の影響でジャズのCDに触れる機会があったんです。そこで幼いながらに衝撃を受けました。僕はチャーリー・パーカーというアメリカのジャズミュージシャンに傾倒したのですが、まわりの友人とはジャズの話で盛り上がることができなかったのがさみしくて。色々調べると県内にジャズ部のある高校があることがわかり、その高校に進学したいという気持ちが芽生えました。それと、ジャズの本は洋書が多いので、原典を読み込むために英語力も必要だなと思い英語科を志望しました。
その後、無事志望していた高校に進学、ジャズ部に入部しました。部員は50人以上の大所帯で、僕はアルトサックスを担当しながら、ビッグバンドのバンドマスターという、リーダー的な役割を担っていました。僕自身はもっとうまくなりたいという気持ちが強くて、毎日練習していましたし、土日は朝8時頃から夜まで一日中練習していても苦ではなかったのですが、周りの部員の意欲がさほど高くなくて、そのギャップが辛かったです。

古屋:
希望通りの高校・部活に入っても悩みや葛藤があったのですね。学業のほうではどうでしたか?

渡辺:
英語科だったので、外国人の先生による日本語禁止の授業や英語合宿などはありました。特に、ジャズ部の指導をしてくれていた外部講師の人は面白かったです。生徒それぞれの個性を尊重してくれる人で、いろんな選択肢があるということを大人の視点からアドバイスをしてもらいました。「別に、入った大学で人生は決まらない」とか「一番できるヤツが手加減しないと組織は進まない」といった話をされたのを、いまでも覚えています。それがきっかけで、「色んな大人の話を聞きたい」と思うようになりました。
その後、父の友人で会社を経営している方の話を聞いたり、ジャズ関係の仕事をしている経営者の話を聞いたりして、お金やビジネスについて実体験に基づいたリアルな話を聞く機会が増えました。そのうちに「経済を学んでみたい」という気持ちが芽生えました。それで、大学では経済学部に行きたいと思い、地元私大の経済学部に進学しました。

退屈な大学を辞めて

渡辺:
うちは父子家庭なのですが、僕が中学生の頃に父が病気を患い、大学を卒業できるかわからないなと、半ば覚悟の上で大学に進学しました。1年が経ち、期待していた大学生活とは程遠いことに憤りを感じていました。講義は退屈でしたし、周囲の人たちはサークルや飲み会と遊んでばかりで、僕は図書館とバイトを往復する毎日を送るようになりました。このままいっても人生楽しくないんじゃないか、とか、自分自身何がしたいのかわからなくなって、金銭的なこともあり大学を辞めました。

古屋:
大学を辞めるのは勇気がいることですよね。辞めてやりたいことがあったわけではないのですか?

渡辺:
むしろ、大学を辞めないと道がないような気がしていました。かといって行先は決まっていなかったので、しばらくフリーターとして本屋やジャズバーでバイトをして生活していました。内心では、プロのミュージシャンになれたらいいな、と思ったりもしていました。でも、バイト先のジャズバーでお客さんが一人しかつかないようなバンドがほとんどで、その一人が支払ったお金を店側と5人のメンバーで折半するという、厳しい実情を目の当たりにしていたので、「音楽で食べていくのは厳しいのだな」と現実を知りました。ジャズで食べることを追及するのは、自分の人生として少し違うかな、とも思いました。

 

「若者たちが創る、“異彩のキャリア”」連載シリーズ

第1回 「人生を変える授業、はじめます」
第2回 「自分で考え自分で選ぶ/奥間 蓮(非大卒人材vol.01)前編」
第3回 「自分で考え自分で選ぶ/奥間 蓮(非大卒人材vol.01)後編」
第4回 「何にだってなれる/渡辺 玲央(非大卒人材vol.02)前編」
第5回「何にだってなれる/渡辺 玲央(非大卒人材vol.02)後編」
第6回「すべてが今につながっている/木村 壮馬(非大卒人材vol.03)前編」


一般社団法人 スクール・トゥ・ワーク
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一般社団法人スクール・トゥ・ワーク(代表者:代表理事 古屋星斗)
学生及び非大卒人材に対するキャリア教育事業等を展開しています。キャリアを選択する力の育成を通じて、未来を生きる若者全てが安心・納得して働き、その意欲や能力を十分に発揮できる社会の実現を目指しています。

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